法律のいろは

離婚調停について(その⑰)

2013年11月5日 更新 

 離婚調停が何回か行われ、話合いでまとまる目途が付いたら、調停が成立することになります。

 

 ○ 離婚をすること自体は合意できたのですが、子どもが高校を卒業したときにという内容でできるの?

 特に未成年の子どもがいる場合、離婚により環境や姓が変わるのを避けるため、子どもが一定の年齢に達したら離婚するという話で合意することがあります。

 しかし、離婚調停では成立するとすぐに離婚の効果が発生します。ですから、その後、離婚したという内容での戸籍の訂正も、既に発生している離婚の効果を妨げるものではなく、単に事後的に役所に離婚という、家族関係の変動を報告するという意味を持つに留まります。

 なので、将来的に一定の時期に離婚する、という内容では、実際に将来そのときに離婚をしているか分からない以上、そういった内容の調停を成立させることはできません。

 もし、そういった内容で合意したのであれば、一旦調停を取下げ、決まったときに離婚の手続き(協議離婚)をするということになるでしょう。もしそのときに、一方が約束をほごにして協議離婚の手続きに協力しないのであれば、そのときまた離婚調停の申立てをせざるをえません。

○ 親権者をどうするか・財産分与や養育費など金銭面でまとまっていないのですが、早く離婚したいので離婚のみ成立とできますか?

 親権者を誰にするか決まっていないとき、離婚の合意ができているのであれば、離婚のみ調停で成立させ、親権者について後日家庭裁判所に親権者の指定をしてもらえばいいのでは、とも思えます。

 しかし、親権者を誰にするかということは、子どもの面倒を誰がみるのかという、子どもの将来にとって重要なことです。それを決めるのを先延ばしにしたまま、離婚してしまい、あとで親権者がなかなか決められない状態になると、子どもの生活環境が不安定になりかねません。また、そもそもその時点で親権者を誰にするか話合いで決められない状態であれば、将来的に親権者を譲らない、泥沼の争いになる危険を既にはらんでいるともいえます。

 ですから、親権者を決めることなく、離婚だけ先行して行う、ということはよほどの事情がない限り、避けた方がよいでしょう。

 親権者以外の点で争いがあり、離婚のみ合意できている、という場合については次回お話しします。

 

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