法律のいろは

更新日:2018.01.06

カテゴリー:残業代・賃金

裁量労働制に関する問題(その①)

裁量労働制とは?

 最近の労働に関する法律の改正に関して問題になっている点の一つとして「裁量労働制」の適用対象の拡大という話があります。今回は,そもそも裁量労働とは何かという話を触れていきたいと思います。

 

 「裁量労働制」といっても分かりにくいものですが,簡単に言えば,勤務時間ではなく仕事の質と成果で評価して報酬を支払うというものです。仕事の仕方から見て働く方の自由度が高いために勤務時間の規制を一般の従業員と同じく規制することが不適切と考えられるために,一定の前提の下で,実際の勤務時間にかかわらず一定の時間を勤務したものとして扱うという形になります。

 つまり,制度の意味は本来的には,働く人の自由度が高い制度として設計されていますので,実際にどのように働くかはその方の事由であるという話になります。この意味で,本来的には長時間の勤務をさせるというものではないはずですが,実際の使われ方がどうであったのかという問題はありうるところでしょう。

 

 こうした「裁量労働制」の対象になるものとしては,「専門型」」の仕事をする方を対象とするものと「企画業務型」と呼ばれるものがあります。このうち,「専門型」と呼ばれるものについては,法令でどういったタイプの仕事が当てはまるかが定められていますが,実際の仕事がそこにあてはまるかが争われたケースがあります。また,次回に触れますが,導入するためには手続き的に満たす必要がある点がありますが,そうした点を満たしているかどうかが争われたケースが最近でも存在します。

一定の時間「働いた」とみなすとの意味は?

 一定の時間「働いた」ものとみなすという扱いが「裁量労働制」で話されるという話を先ほど触れました。この意味は仕事の時間ではなく青果や室で評価するのが適切という考えに基づく点は先ほど触れました。それでは,いわゆる残業などの規制が全く及ばないかといえばそうではありません。

 

 法律上要求される休日に関する規制(週一回は定める必要がある)という点や深夜残業の規制・休憩に関する規制は当然及びます。また,一定の時間を働いたものとして扱うというその時間が法律で定められた勤務時間を超える場合には,時間外労働の規制が及ぶことになります。少なくとも,深夜残業があれば,残業代の支払いは必要にはなります。

 ここでいう一定の時間働いたものと意味なすという扱いは,現在ではあくまでも一日の勤務時間に関して用いられると考えられています。

 

 現在,過重労働の撲滅へ向けての措置や健康確保措置などとともに,「裁量労働制」を拡大するかどうかという話が出ています。次回は,「専門型」の「裁量労働制」の適用となる仕事の内容や導入の際の手続きの話に触れたいと思います。

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