法律のいろは

更新日:2018.01.31

カテゴリー:売掛金回収

売掛金の回収(その⑤)

いざというときに,裁判を起こしたからといって回収ができるとは限りません

 普段から取引をしている際には,取引相手の信用を考えることはそこまでないかと思われます。一度限りの取引で金額が大きければきっちりと確認するというところもあるでしょうが,そうではないところに普段からの取引先との間の売掛金管理の難しさがあります。

 いざ支払いが滞るなどの場面で相手との話し合いをしてもらちが明かないという場合には,支払いを求める裁判を起こすことも考えられますが,特定の裁判形態を除けば相手が争えば時間がかかる可能性があります。仮に勝訴しても相手に支払い能力がなければ,回収を図ることができず売掛金が焦げ付く可能性が出てきます。

 

 これを防ぐために,後記の担保の設定や相殺ができるようにしておく・別の現物で支払いにかえる(代物弁済と法律上呼ばれるものです)等の活用が考えられます。また,裁判を起こす前に仮差押え等の保全手続きと呼ばれる申し立てを行っておく方法も考えられますが,既に取引相手に財産がない場合には対応の使用がなくなる点があります。早く行動する必要も出てくるでしょう。

担保を取っておく等の方法の活用

 既に別のコラムで触れたところですが,担保目的という枠の中で取引相手が別の方に対して持っている貸金や売掛金を譲渡してもらう・商品などを譲渡してもらうという方法が考えられます。自社が相手に対して持っている売掛金と比べて不釣り合いに大きな譲渡を求める場合には,法律上無効になるリスクがありますが,こうした方法も基本的には有効です。

 実際にどのような形がいいのかは,自社と相手方との関係や業種・相手方の状況や支払い能力などを踏まえて考えていくことになりますが,相手方と交渉していく必要があります。

 

 このほかに,相手方が持っている財産や商品などを譲ってもらって返済に変える形や相手からの買掛金などをいざという際に相殺ができるようにしておく(いずれもその旨の合意が必要です)という方法も考えられます。ただし,こういった方法も合意の内容や合意をする時期によっては,後で法律上無効と扱われるケースもあるため,注意が必要です。特に,こうした合意は取引相手の経営が相当マズくなった後になされる場合もあり,後で取引相手が破産などに至った場合には破産手続きとの関係でも問題が生じる可能性がありえます。

 

 もちろん保証人を要求するという話もありますが,その際には保証人となる予定の方の支払い能力の問題や合意内容によっては同じく法律上のリスクもありえます。

 

 お金の回収に関しては,トラブルになる可能性や合意をしても問題が起こる可能性もありますので,状況や対応方法について弁護士などの専門家に相談をして考えていった方がいいように思われます。

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