法律のいろは

 離婚調停が,あくまでも家庭裁判所における話し合いの場であるという事はこれまで何度も触れてきました。それぞれ言い分があり,事実関係が食い違っていることが離婚調停に至る場合には多いのではないかと思われます。調停を申し立てる段階,あるいは第1回の調停前に言い分を記載した書類を提出することがあるでしょう。

 これらの言い分等はあくまでもどういった点が問題となるか〈争点となるか),どのような認識の違いがあるのか等を明らかにする意味があります。重要なのは,こうした言い分等について,どちらが正しいのかを明らかにしていこうというのが調停の目的ではありません。あくまでも違いなどを前提にどこかで折り合いをつけられるかを探っていくのが目的となります。

 実際の調停の場で中々思うことが言えないという事をお考えの場合等には,ある程度詳しく言い分を記載することに意味がある場合はあります。ただし,詳しく書くことで話の問題点が多岐にわたるようになった場合や,話の本筋から外れた点には話が行ってしまう場合には,こうしたことをする意味が薄れてくる場合もあります。インターネット上に,陳述書(これまでの経緯や自分の思い等を記載する書類)の例などが出回っていますが,全ての場合にそうしたモデルのとおり書けばいいわけではないことには注意が必要です。

 あまり小さな事柄での言い分の食い違いにこだわることで,感情的な行き違いが多くなることや問題解決に時間が余計にかかることは頭に入れておいた方がいいように思われます。

 離婚調停をはじめとする調停において,どういった内容での解決を望むのか・その解決が現在の調停で図れるようなものなのか等を見極めたうえで,調停に臨む必要があるでしょう。こうした点がはっきりしていないで,調停望んでも満足のいく結果になることはないでしょう。そのため,離婚裁判に行く可能性やその見極めもさることながら,そもそもどうしたいのかといったスタンスをはっきりさせる必要があります。そのうえで,今後予測されることとそれぞれのメリット・デメリットを考えた方がいいように思われます。

 とかく,調停委員を味方につける等と言われますが,まずは自分のスタンスをはっきりさせてからという点は重要と考えられます。

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