法律のいろは

保護命令が発令されなかったものの相手がしつこく面会を求めてきた場合の対処は?

2015年2月24日 更新 

 結婚中に度々暴力を振るわれたことがあったため、保護命令の申立を準備していたものの、相手が離婚に応じてもよいといって離婚届を送ってきたため、それに署名押印して提出をした、こういうケースはしばしばあります。被害者の方も、相手が離婚してもいいと言っているなら、早く離婚の話はつけたいと思って応じるのではないかと思います。

 ただ、こういった場合には、保護命令を申し立てても、相手である加害者は、もう離婚していて会う必要がないという可能性があり、そうなると、裁判所もすでに離婚してしまっている以上、両者の接点がないのでは、と考えてわざわざ保護命令まで出す必要がないと判断する場合もありえます。

 しかし、その後、今度は加害者が子供に会わせろといってしきりに面会を求めてきた場合、何か対処法はないでしょうか。

 こういった場合に使えるのが、仮処分という手続きです。DV防止法が制定される前は、この通常の民事保全による、接近禁止の仮処分や面談強要禁止の仮処分で対処していました。
 仮処分の手続きは、特にどういった行為について仮処分を求められるかという点に制限がないので、禁止を求める行為について柔軟に対応を求めることができます。

 ただ、DV防止法の保護命令と異なり、違反した場合には刑罰という制裁の規定がないため、仮処分に反したときは、一定のお金の支払いを求めることしかできません。
   とはいっても、仮処分が出ているのに、違反した場合は、警察に積極的に援助するよう求めることができます。

 

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