法律のいろは

離婚調停について(その⑱)

2013年11月8日 更新 

○ 親権者をどうするか・財産分与や養育費など金銭面でまとまっていないのですが、早く離婚したいので離婚のみ成立とできますか?(つづき)

  前回、親権者を誰にするか決まっていないが、離婚のみ合意できているとき、離婚のみ調停で成立させることができるのか、をお話ししました。

  親権者を誰にするかということは、子どもの将来にとって重要なことなので、先延ばしにするような形にせず、親権者も含めて条件が煮詰まってから離婚調停成立にした方がよい、ということも前回お話ししたとおりです。

  今回は、親権者以外の点で争いがあり、離婚のみ合意できている、という場合についてお話ししたいと思います。

  ・慰謝料・財産分与につき金額面で争いがある

   

  慰謝料についてシビアに金額面が争いになっているときは、金額のへだたりが大きければ大きいほど、調停での話合いでの解決が難しくなります。

  そうなると、客観的な証拠をもって、証明していく裁判での解決によらざるをえない可能性が高いでしょう。

  また、財産分与についても、互いの財産がきちんと開示されているか疑わしい、あるいは一方による使い込みの可能性があるといったケースでは、事実関係の調査が必要になってきます。金額の折り合いには時間がかかる可能性が高いでしょう。

    子どもの小学校などへの進学時期との関係で、出来れば離婚を早めにして氏の変更をしたいという場合もあると思います。

  双方一旦離婚自体合意で進めることに納得というのであれば、離婚調停のみ成立、慰謝料については裁判で、財産分与は審判でというのもありうるでしょう。

  ただ、いずれにせよ問題が全面的に解決というわけではなく、残ってしまうのでできれば離婚も含めて最終的な合意という方がよいのではないかと思います。

 また、仮に離婚だけ合意をしたときには、離婚に伴う法律的な紛争、とくに金銭面についてあるかないか、あるいは額についてお互い争わない、という清算条項を入れてしまうと、後日金額面を争うことができなくなります。ですから、こういった条項を入れないように注意する必要があります。

 

 ・養育費について金額に争いがあるとき

  こういった場合離婚を先に成立させると、離婚後は養育費に切り替わるため、金額が決まらない限りそれまで受け取れなくなってしまいます。まとまって払ってもらえるのならよいでしょうが、いずれにせよ余り先延ばしにするのは好ましくありません。

  収入に変動があり、一旦決めても大幅に金額が変わりそう、という場合であれば一旦離婚のみ成立させるのもありうるでしょうが、例外的ではないかと思います。

 

  それ以外について争いがある場合については、次回お話しします。

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