法律のいろは

男性の目から見た離婚問題とは?(その①)

2013年11月22日 更新 

 今日は,「いい夫婦」の日ですので,離婚問題に関わるコラムは,縁起でもないのかもしれません。

 それはさておき,男性にとって,「離婚問題」というと,ものすごく不利な立場に立たされるのではないか・女性側が子どもの親権や財産を得られるのに,男性はあまり何も得ることはできないのではないか,という考え方が強いのかもしれません。男性にとっての「離婚問題」がどのようなものであるのかを,ここ何回か(?)にわたって触れていきたいと思います。

 

 まず今回は,子ども(未成年の子ども)に視点を置いて考えていきます。子ども,特に乳幼児の親権は圧倒的に女性(母親)が有利であると一般に言われています。そのためか,当然に母親なら子どもの親権を絶対に取れると考えている方もいるのかもしれません。

 もちろん,裁判例・審判例の中には,乳幼児の親権は母親がふさわしいことをも理由に挙げて親権のはんだんをしているものがあります。ただし,筆者が見知っている限りでは,そこまで多くはないように思われます。以前,ここのコラムでも触れましたけれども,必ずしも母親・女性であることを親権の重要な判断要素としている裁判例・審判例はそこまでない印象があります。

 

 

 以前も触れたように親権の判断要素として大きいと思われるのは

 ①これまで子どもの養育監護をしてきたのは誰か・今誰が監護しているのか

 ②子どもと親との結びつき,簡単には懐いているのかどうか・嫌っている(拒否している)のかどうか

 ③子どもの意思(子どもがある程度成長しているほど考慮される傾向にあります)

 ④子供を養育監護する態勢が整っているか(協力者の存在・経済面・健康面など)

 

 が挙げられます。もちろん,この他にも養育監護しない方の親と子どもとの面会交流を許容しているのか

どうか等考慮の要素が多いことは以前も触れました。

 

  この中で①と②の持つ意味は③にも影響しますし,かなり大きいのではないかという印象が個人的には

あります。特に,男性は平日昼間は外で働き・子供の面倒は女性側が多く見ているケースは多いのではない

でしょうか?こうなると,女性の方が以前から子どもの面倒を見て結びつきが大きくなるということで,①

や②を充たす事につながってきます。

  ただし,こうした話は,女性でも子どもの面倒を普段あまり見ていないということがあれば,親権をと

ることにはハードルがかなり出てくることになることを示しています。

  もちろん,①と②以外の要素も考慮されるので,これだけですべてが決まるわけでもない点に注意は必

要です。子どもの存在を大事と考えるのであれば,子どもとの普段からの結びつきをどう考えるかは重要な

ことだと思われます。次回に続きます。

 

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