法律のいろは

内縁の相手方が亡くなった場合はどうなるの(その①)?

2013年12月8日 更新 

 長年結婚はしなかったけれども一緒に生活してきたパートナーが亡くなった後に,残された方は一緒に築いてきた財産を何かとることができるのでしょうか?多くの場合,こういったケースでは法律上も内縁と言えるでしょうから,死別によって内縁関係が終わった場合にどうなるのかという問題と言い換えることができるかもしれません。

 

 こういった場合に,二人の間に子供さんがいて,財産は引き継ぐけど,その方が親である残された内縁の相手方の面倒を見るという場合には面倒が少ないかもしれません。そういう場合で無かった際(子供もおらず法律上の相続人がいないケース)には,問題が出てきます。単に内縁の相手方との間の子供が面倒を見ないという場合には,相続の問題ではなく,老親である内縁の相手方がその子供に扶養を求める(実際には扶養料というお金の請求をする)形の話となってきます。  まず,内縁の配偶者は,亡くなった内縁のパートナーの財産を相続することはできません。これは他に疎遠であっても法律上の相続人がいる場合・いない場合両方共です。仮に,ありうるとしても,内縁のパートナーに法律で定められた相続人がいない場合に,特別縁故者という形で財産を引き継ぐことができるのかどうかという話が出てくるだけです。この特別縁故者の制度とは,法律上定められた相続人がおらず,相続財産について清算(マイナス部分があればその支払いをする)をするとともに,相続人に当たる方がいるかどうかの公告を行うという相続財産管理人の制度を使うことを前提としています。相続人がいないことが確定してのちに特別縁故者に当たるからという申立てがあれば,該当するのかどうかが問題になるという性質のものです。そのため,そもそもの相続財産管理人の選任申し立てが内縁の配偶者からなされているケースもあります。

 

 特別縁故者とは,亡くなった方と生計を同じくしていた方・亡くなった方の生前の療養看護のために尽くした方・その他今述べたのと同等の特別な関係が亡くなった方と存在するといえる方に対して,亡くなった方の意向を推測する形で,亡くなった方の財産の全部または一部を与える制度です。

 当然に誰かに与えられるというものではなく,自らは先ほど述べた関係にあたるという方から,家庭裁判所に亡くなった方の財産を与えてほしいとの申立てがあった際に問題となります。家庭裁判所は申立てがあると,先ほど述べたような関係にあるのかどうか・どの程度の財産を与えるのか等を判断することになります。判断の際には,亡くなられた方と申し立てをした方の関係の有無や内容,申し立てをした人の事情や亡くなられた人が残した財産の内容や存在する場所など色々な事情が考慮されることになります。

 内縁の配偶者は,亡くなった方と生計を同じくしていた方には少なくとも当てはまりえます。実際にどこまで分け与えられるかなどはケースバイケースになろうかと思われます。

 

 ただし,こうした特別縁故者として亡くなられた方の財産を分け与えられる形でもらうには,亡くなられた方に法律で定められた相続人がいないことが必要です。仮に,相続人がいた場合には特別縁故者としてはもらえないことになってしまいます。亡くなられた方と一緒に長年財産を気付いてきた場合にはそれではおかしいという場面が出てきかねません。

 こういった場合にどう考えるのかがここでの問題ですが,詳しくは次回に続きます。

 

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