法律のいろは

離婚調停について(その㉖)

2013年12月14日 更新 

 前回は、調停調書の条項についてお話しをしました。

 そして、調停条項のうち、強制的に履行を求めることができない条項についてお話しをしました。

 今回は、もし相手方が履行しなければ、国家権力の力を借りて、強制的に履行を求められる条項についてお話しします。これには、④給付条項と、⑤確認条項、⑥形成条項があります。

 ④給付条項とは、一方が他方に対してお金を支払うよう求めたり、建物を明け渡すよう求めることを内容とするものです。

 せっかく双方が慰謝料・財産分与などでお金を支払うと合意しても、支払い義務ある者がきちんと支払いをしなければ、合意に基いて履行をされたといえません。

 ですから、調停が成立したにもかかわらず、相手が自発的に支払いをしなければ国家権力の力を借りて強制的に合意内容を実現できるよう、きちんと条項の文言を定めておくことが大事です。

 それには、たとえば金銭の支払いの場合、いつまでにいくらを支払うのかがきちんと定められていなければなりません。

 また不動産の場合には、登記簿謄本のとおり特定しておかないと、あとで登記移転ができなくなりますので、必ず登記簿謄本を取り寄せ、家庭裁判所に提出しておく必要があります。

 それから、条項には、「支払う」「明け渡す」などのように、記載をしてもらわなければなりません。「支払うものとする」「明け渡すものとする」と記載すると、単なる約束文言になってしまい、強制執行ができなくなる可能性がありますので、注意が必要です。

 ⑤ 確認条項

 特定の権利あるいは法律関係の存在(不存在)を確認することを合意する内容の条項です。「親子関係が存在することを確認する」といったものがあたります。

 ⑥ 形成条項

 新たな権利の発生・変更・消滅の項かを生じる合意を内容とするものです。

 「申立人と相手方は(調停で)離婚する」という場合があたります。この条項により、申立人と相手方には、婚姻関係が消滅するという法的効果が発生することになります。

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