法律のいろは

裁判離婚について(その②)

2013年12月25日 更新 

 離婚裁判については、かつては地方裁判所で行っていましたが、今では家庭内の紛争にかかわるものとして、すべて家庭裁判所で行われています。

 離婚裁判を起こせるのは、夫婦どちらかの住所地を管轄する裁判所です。これは、離婚調停とは異なるところです。離婚調停の場合、相手方の住所地に申し立てるのが原則になっているため、特に遠隔地に相手方が居住しているときには出廷するのが負担になります。また、調停の場合、出廷が原則で、電話による調停・テレビ会議による調停は例外的にしか認められませんし、そのようなシステムが設けられていない裁判所ではそもそも使えないです。これは、離婚調停の項でお話ししたとおりです。

 これに対して、離婚裁判の場合は、夫婦いずれかの住所地で訴えを起こせるので、早々に調停を切り上げ、裁判でということもあります。また、遠方の場合は代理人(弁護士)が就いていれば通常電話会議(一方が家庭裁判所に出廷し、他方が電話によりやりとりする)によることも認められることが多いこと、通常代理人による出廷で対応することから、裁判を行うご本人の時間的な負担、経済的な負担(期日そのものへの出廷に関してですが)は調停よりは少なくて済むともいえます。

 ただ、裁判となると前にもお話したように、調停とは異なり厳密に法的な主張・証拠による裏付けが必要になってくるため、その分心理的な負担がかかるといわれることもあります。

 ですから、調停での解決が可能であればそれに越したことはないのですが、調停の段階での話し合いでは解決の見込みが低い場合(離婚するかどうかで争いがある・金額的なへだたりが大きい・親権での争いがあるなど)には、事実関係を突き詰めることになる裁判によるほかないでしょう。裁判では,離婚原因があるかどうか・慰謝料を払う義務があるかどうか等事実関係をはっきりさせる必要がありますので,お互いにこれまでの婚姻生活を暴きあう面が出てきます。また,親権に関しては,今後再度詳しく触れますが,基本的な事実の主張や家庭裁判所調査官の調査が行われ,こうした事柄にもとづき裁判官が判断をすることになります。

 

 もちろん,離婚裁判になっても,実際は結構なケースがそうであるように,和解という形で話し合い解決の可能性はあります。ただし,あくまでも双方の言い分をある程度主張した後になりますから,それなりにエネルギーは必要になります。こうした点を考えて,調停で解決するか離婚裁判にまで至るかを考える必要があります。

 

 次回に続きます。

 

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