法律のいろは

離婚裁判について(その③)

2013年12月27日 更新 

 離婚裁判について,これまで大ざっぱに話をさせていただきました。離婚裁判に関しては,いわゆる不倫・不貞(浮気)による慰謝料請求が問題になっている場合には,家庭裁判所で配偶者に対する裁判の他に不倫相手に対する慰謝料請求の裁判もくっつけて行うことができます。

 

 あくまでも,行うことができるのは不倫に対する慰謝料請求をする場合に,離婚裁判をする裁判(不倫・不貞をされた配偶者が不倫・不貞をした配偶者に離婚請求をする裁判)と不倫・不貞(浮気)をした相手方に対する慰謝料請求の裁判を一緒に家庭裁判所で行うことができるという点です。あくまでも,不倫・不貞(浮気)をされた側が離婚をしたくない場合には,不倫・不貞(浮気)をした側からの離婚請求(多くは,不倫・不貞(浮気)の事実はないとして,離婚を求める裁判)がなされ,離婚をしたくない側は離婚の原因を争うことになります。ですから,その場合には,不倫・不貞があったことを理由とした慰謝料請求自体がありませんから,こうした二つの裁判がくっつくことはありません。

 そもそもは,不倫・不貞をしたことを理由とした慰謝料請求の裁判が,地方裁判所で行うべきもので,家庭裁判所で行うのは特別なことであることに注意が必要と思われます。このように,離婚をする本人同士(夫婦)以外の方が,家庭裁判所で離婚裁判に関わること自体がかなり特殊なこととなるのです。

 

 

 離婚裁判では,法律上の離婚原因があるかどうか(いわゆる離婚原因についての有責配偶者からの離婚請求かどうか・有責配偶者からの離婚請求でも離婚を認めるべき事情があるかどうか)について,事実を認定して判断することになります。事実を認定する上には,夫婦の間で言い分が異なるために,事実がどちらの言い分に近いのか確定する必要が出てきます。そのうえでは,前回も触れましたが,証拠や言い分の内容などにもとづいて,事実関係をはっきりさせる必要があります。注意が必要なのは,ここでいう事実認定は,絶対に存在した事実とは異なり,証拠や言い分の内容から事実であると考えられることであるという点です。簡単に言うと,実際の事実と異なる可能性はあるということです(といっても,考え難いことが事実と考えられるということではありません)。

 

 こうしたことは離婚裁判以外の裁判でも当てはまることではありますが,客観的な証拠が少ない傾向がある離婚裁判では特に当てはまるのではないかと思われます。このように,事実関係がどうかは,裁判では重要な意味を持ちます。次回に続きます。

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