法律のいろは

裁判離婚について(その③)

2014年1月3日 更新 

 前回は、離婚裁判をするにあたって、どこの裁判所に申し立てることになるか、またその後の手続きの進み方などについて、おおざっぱにお話しました。

 今回はその続きです。

 離婚裁判をしなければならない場合というと、慰謝料・財産分与で金額に開きがある・親権者がどちらになるか争いがあると様々なケースがあります。その中でまず思い浮かぶのがそもそも夫婦の間で離婚をする・しないで対立をしているケースでしょう。

 この場合は、離婚調停という、話し合いによる解決では決着しないため、裁判により離婚が成立するかどうか決める必要が出てくるのです。

 他の項目でもたびたび触れていますが、裁判で離婚が成立するか判断するにあたっては、法律上の離婚原因(離婚理由)に該当する必要があります。

 法律で定められている離婚理由には、復習を兼ねて触れておきますが、

 ① 配偶者に不倫・不貞行為(浮気)があったとき

 ② 配偶者から「悪意で遺棄された」とき

 ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

 ④ 配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき

 ⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

となっています。

 もっとも、このような①~⑤に該当するケースでも、一切の事情を考慮して結婚生活を続けるのが相当と裁判官が判断すれば、離婚の請求を棄却することができるとなっています。

 このように、離婚自体に夫婦の意見が一致しない場合、それでも離婚成立を目指すにはやや高いハードルがあるといえるでしょう。

 個別の離婚理由の説明については、各項目(「こんな理由で離婚は認められますか?」)に委ねます。ただ、いずれにせよ、各離婚理由があるかどうかにあたっては、それを裏付ける証拠の存在が非常に重要になります。

 たとえば①の配偶者の不倫・不貞行為(浮気)をみても、単に感で浮気をしているのではないか、というだけでは証拠がなく、不十分です。

 またそこまででなくても、直接不倫・不貞行為(浮気)までには結びつかない写真・メール(たとえば、昼間配偶者が浮気相手と手をつないでいる写真や、二人で昼間食事に行ったことを示すメールなど)だけであれば、やはり不倫・不貞行為(浮気)があったと証明するには不十分でしょう。

 もっとも、その場合でもそういった証拠が複数積み重なれば、⑤の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」があると判断されやすくはなります。

 ですから、これらの離婚理由があると裏付ける証拠としては、単にたくさん集めるのではなく、できれば離婚理由に直接的に結びつきうる証拠をそろえる必要があるでしょう。

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。