法律のいろは

再婚の法律問題(その⑫)

2014年1月6日 更新 

 前回まで何回か再婚をする際における連れ子の話をしました。その際に,再婚の際に配偶者の子供を養子にする場合には,未成年の子供でも手続きが軽くなる面があるという話をしました。今回は,その話の補足をしたいと思います。

 

 まず,再婚相手が配偶者の子供を養子にする場合は,家庭裁判所の許可は不要となる話をしました。この話には例外があります。それは,配偶者が亡くなった後に配偶者の子供(連れ子)を養子にする場合です。あくまでも実際の取り扱い上の話ではありますが,亡くなった配偶者の場合には家庭裁判所が必要と考えられています。理由としては,配偶者の子供であれば,子供に不利益な養子縁組(働かせることなどをもくてきとするものなど)は一般にはないと考えられる反面,配偶者死後にわざわざ養子縁組するのは子供に不利益な養子縁組の可能性も十分に考えられるからです。

 

 今までの話は,配偶者が連れ子の親権を持っているという話を前提にしてきました。仮に,親権は配偶者の前婚の際の元配偶者が持っている場合にはどうなるのでしょうか?この場合には,未成年の子供が15歳以下の場合が違ってきます。以前触れましたように,子供が15歳未満の場合には,親権者(法定代理人)の代諾が必要となります。先ほどの場合,代諾をすることができるのは配偶者の前の配偶者ということになります。再婚の外にいる人が養子縁組の決定権を持つ形になること・いかに実の親子でも親権者でなければ代諾ができないということには注意が必要です。

 

 今述べたようなケースで,元の配偶者が亡くなっている場合にはどうなるのでしょうか?この場合には代諾する方がいなくなるように思えるため問題が出てきます。親権者が亡くなった場合には当然に親であるのだから,親権のない親が親権をもって代諾するのだという考えが出てくるかもしれません。しかし,法律上はそうはなりません。この場合は,未成年後見人を付ける必要が出てきます。未成年後見とは,未成年の子供の親権者が亡くなった・親権が制限されている等親権の行使に制約が加わった際に,未成年の子供を保護するために親権の補充をする制度と大ざっぱにはいうことができます。未成年後見人は法律上当然につけられるわけではありません。

 細かいことはいずれ触れますが,先ほどのケースで親権者が遺言を残していて再婚をする配偶者を未成年後見人として指定しておけば,再婚する配偶者が未成年後見人となります。こうした遺言もない場合には,未成年後見人を選ぶよう家庭裁判所に申立てをする必要が出てきます。代諾は未成年後見人が行うことになります。

 

 次回に続きます。

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