法律のいろは

裁判離婚について(その⑧)

2014年2月8日 更新 

 前回、親権について争いがあり、裁判所での話し合いがつかなかった場合、裁判では判決で最終的に親権者を決める必要が出てきますが、その際どのような方法・進め方によるのかお話をしました。今日はその続きです。

 ちなみに、前回お話しました、家庭裁判所調査官による親権者指定に関する調査は、裁判官が調査するよう命じてはじめて行われることになります。この親権に関する調査を含め、調査命令が離婚など裁判でなされた件数は、平成24年でいくと8パーセントあまりのようですが、当事者双方(代理人を含む)が出席し、判決で終わった事件では14パーセントあまりで調査命令があったようです。

 家庭裁判所での調査の内容ですが、一番多いものが子どもが現にどういう生育環境の元で育てられているか、に関する事項(子の監護状況)がもっとも多く、全体の70パーセント近くを占めています。次に子どもが親権者となるのがどちらがいいと思っているかも含めて調査する、「子の意向」に関するものが30パーセントあまりとなっています。

 それ以外に調査されるケースも8パーセントほどあるようですが、現に子どもを見ていない親や、子どもの監護を手助けする者の監護環境、監護方針などの調査が含まれているようです。

 通常は前回お話したように、現に子どもを見ている親がどういった環境の元で子どもを見ているのか、また子どもの様子・普段の生活はどういったペースで過ごしているのかなどの調査が中心になります。それ以外に調査しない場合もままあると思います。

 ですから、現に子どもを見ていない親の監護環境など調査をする場合は、現在見ている親の監護に関する環境が好ましくないなど、比較的限られたケースに限られるのではないかと思います。

 今子どもを見ておらず、かつ面会交流が全く・あるいは十分に行われていない場合であれば、現在子どもがどういった生活をしているのか、といった情報が得られるということがあります。

 代理人がついているケースであれば、そういった監護状況などに関する家庭裁判所調査官の報告を踏まえて、反論や意見を述べることがあります。判決で最終的に裁判官が判断するにあたっては、そういった主張や証拠による立証が必要で、あくまでも家庭裁判所の調査官の報告書は補充的に考慮されるにすぎないと前回お話しました。

 しかし、実際のところは、家庭裁判所調査官による専門的な知見を踏まえた報告は判決にあたっても比較的影響を与えているケースが多いのではないかと思います。

 このように家庭裁判所調査官による調査は、最終的な親権者の指定にあたっても影響を及ぼす可能性があることを踏まえて、調臨む必要があるでしょう。

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