法律のいろは

 離婚と養育費(その29)

2014年3月5日 更新 

 離婚後に未成年のこともがいる場合に,養育費の取り決めをすれば,当然養育費の支払いは必要になります。調停や裁判で養育費の支払いの申立があって話し合いが付く・支払いを命じられれば,親権を持たない親は子供に対する養育費の支払い義務を負いますこの話は以前しました。

 

 その際に,養育費の金額は原則として,いわゆる算定表に基づくという話を算定表の根拠となる算定式の話も触れました。その象徴と共に,例外になる場合を示した裁判例を今回は紹介いたします。

 

 問題となったケースでは,離婚後に子供が親権を持たない親の元へ毎週定期的に通い実質3日間を一緒に過ごしている・その際の諸費用は親権を持たない親が負担しているというものです。こういったケースで養育費がいくらになるかが問題になりました。第1審と第2審で少し違う結論になっています。その差は,第1審では養育費は親双方の収入と子供の年齢や数に応じた算定表に基づく・例外となる事情はないという理由で算定表どおりの金額を出したのに,第2審では修正を認めた点があります。

 

 裁判所の判断の分の内容など公表された事項からは,定期的に親権を負わない親のもとで生活し,その際の費用負担を親権者ではない親がしていたかどうかを養育費を決めるうえで考慮していたかどうかが判断の分かれ目かと思われます。第2審では,こうした負担を考慮したうえで,算定表の根拠となる算定式から修正できる要素はないかを勘案したうえで,ある程度の修正(この場合は減額になります)を認めるべきであると判断しています。

 

 このように,算定表といっても全く修正がないわけではありませんが,先ほどの第1審が言っているように,よほどの事情がない限りは算定表が大きな意味を持つことには注意する必要があります。最近,算定表に書かれていることが必ずしも合理的ではないと述べる声も一部にはありますが,現状はよく頭に入れておいた方がいいように思われます。

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