法律のいろは

モラハラと証拠(?)その①

2015年1月25日 更新 

 最近芸能人の離婚問題等で脚光を浴びた「モラハラ」(モラルハラスメント)ですが,離婚の理由になるかどうかと慰謝料を請求できるかでは話が変わってきます。離婚の理由になるかどうかは,夫婦のやり直しがきかない状況と言えるかどうかの一つの事情であるのに対し,慰謝料請求の原因になるかはそこには含まれないものがあるためです。

 「モラハラ」はどこまで証拠が必要なのかという事が気になる方はおられるのではないでしょうか?夫婦のこれまでの日常の中のものですから,いちいち録音や記録にとっていないという事が多いのではないかと思われます。証拠は必要になるのは主には離婚裁判になった場合です。離婚裁判では,離婚調停や離婚協議と違い,争いのある事実について証拠によって事実があったかどうかを判断する場となるためです。反対に言えば,あくまでも話し合いの場である離婚調停や離婚協議の場では,厳密に証拠を用いてという話にはならないことが通常と考えられます。その段階では証拠の有無が厳密に問題となることはありません。また,離婚裁判の場でも相手が争わないのであれば,証拠が問題となることはありません。

 離婚の理由になるかどうかは,離婚をするかしないかで全く折り合いがつかない場合には,離婚裁判での解決を視野に入れることがありますので,証拠の有無は問題となってきます。この場合でも,あくまでも他の理由(及びその証拠)とあわせて夫婦関係が修復しがたいと言えるのかが一番の問題ですので,他に理由となる事柄があればそこまで大きな問題にはならないと思われます。

 これに対して,「モラハラ」(厳密にはモラハラと考える相手の言動)があることを理由に慰謝料を請求する場合,話し合いで慰謝料を払うか同課は上記と同様の話がありますが,他は金額の問題ではありますので調整の余地はあるところです。ただし,離婚裁判になった際にどこまで認められる可能性がるかは一つの考慮要素になる可能性はありますので,注意が必要なところです。

 問題は「モラハラ」とされる事実関係に争いがある場合に,どのような証拠が必要かという点です。まず,夫婦お互いの証言・供述が考えられます。もちろん,この証拠だけでは認められない可能性は十分にあります。他にどのような証拠があり,認められる可能性・認められない可能性がどうなのかなど次回に続きます。

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