法律のいろは

離婚(不倫・不貞)と慰藉料請求(受け取ったお金の意味)

2015年2月11日 更新 

 配偶者に不倫・不貞があった場合に,その相手方と配偶者に対して,慰謝料請求ができることは以前に何度か触れました。また,不倫をした配偶者と相手方が負う賠償責任は,やや特殊なものという話も触れました。今回は,こうした話を踏まえての注意点を触れたいと思います。

 まずはおさらいですが,不倫をした配偶者と相手方が負う賠償責任は少し特殊な連帯責任です。双方に対して,慰謝料請求をできるものの(この際の慰謝料は,不貞の内容等によって金額は変わってきます)片方から慰藉料を受け取るともう片方からは受け取れる金額がその分減るというものです。たとえば,配偶者と相手方にそれぞれ200万円を慰謝料として請求はできます。仮に,この場合妥当な慰藉料が200万円だとして配偶者からこの金額を貰うと相手方からはもらえなくなります。
 双方に対しての請求か片方に対しての請求課は,請求相手の支払い能力や感情的な面で左右される点があろうかと思われます。配偶者に対してはやり直しを前提に請求せず,相手方にのみ請求することもできます。また,相手方は支払い能力がないから配偶者に対してだけ請求することもできます。そこはケースバイケースの判断になろうかと思われます。ただ,不倫・不貞が婚姻関係破綻の決定的な原因である場合,配偶者の方が離婚慰謝料込で少し金額が大きくなる可能性がある点は注意が必要でしょう。

 それでは,慰謝料とは違う名目でお金をもらっておけば,もう一方にもすべて請求できるかというとそう簡単にはいかないように考えられます。不倫の相手方から解決金を受け取った場合には特に顕著ですが,あくまでも不倫に関しての問題の解決金ですから,慰謝料の要素が基本になる可能性が極めて高くなります。それでは,配偶者からはどうなのかという問題は出てきます。子供の親権を取得する場合には,養育費とは別に援助という性格もありえますし,財産分与という可能性もありえます。慰謝料を含めた色々な要素が含まれることは十分あるのです。
 そのため,全く慰謝料と違うと言える場合尾あれば,結局慰謝料という場合もありえます。これはお金を受け取る際の合意の内容(経緯などを踏まえたもの)をどう考えるかという話になっていきます。書面を交わしていても,記載のとおりに考えるのが合理的な場合もあれば,経緯等から難しい場合も出てきます。ケースバイケースですが,後に問題が残るかどうかはあらかじめ専門家に相談しておいた方がいいように思われます。

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