法律のいろは

自転車にぶつけられたが逃げられてしまったとき

2015年6月23日 更新 

 自転車を運転しているとき、あるいは歩いていて横からいきなり飛び出してきた自転車とぶつかり、転倒してしまったが、その自転車は逃げてしまった…そんなときはどうすればいいのでしょうか。

 こういった場合はまずは警察に届け出て、怪我をしている場合は病院を受診しましょう。これは自動車の事故の場合と同じです。

 自転車は道路交通法上軽車両にあたりますから、自転車事故に関与したときには、被害者を救護したり、事故があったことを警察などに報告する義務があります。

 ですから、警察に状況を説明し、捜査してもらい、事故の相手が見つかるよう、手立てを取ることが必要です。記憶が鮮明なうちに、事故現場での実況見分もしてもらうとよいです。

 警察の捜査により事故の相手がみつかれば、過失傷害などや救護・報告義務違反で処罰される可能性もあります。

 また、怪我やそれに伴う慰謝料などの損害賠償を相手に求めることもできます。

 他方、もし加害者が見つからないときは、車の事故と異なり、加害者が不明な自動車によるひき逃げ事故などに対して、政府が自賠責保険と同額の補償をする、政府の保障事業のようなものはありません。
 ですから、もし自身が契約している傷害保険があれば、それや社会保険などを使って、できるだけ損害が填補されるようにすることになります。

 傷害保険には、契約者の家族の傷害であっても支払いが受けられることがあります。また、自動車保険の人身傷害保険でも、自転車事故を含めてカバーされていたり、家族の傷害でもカバーできるものもありますので、契約や約款をよくみて、つかえる保険がないか確認してみましょう。

 その他、自転車版車検制度を受けることで保険金の支払いが受けられる、TSマーク保険や、通勤中や業務中の事故であれば労災保険も使える可能性がありますので、あわせて検討してみるとよいでしょう。

 自転車についても、今月から道路交通法の改正により、「危険行為」の定めや3年以内に2回以上「危険行為」が摘発された違反者に対しては、自転車運転者講習を受けなければならなくなるといったより厳しい定めがなされることになりました。

 自転車も乗り方次第で危険を伴うもの。運転する人もそのことをきちんと自覚することが大事なように思います。

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