法律のいろは

亡くなった親のお墓の使用権や遺骨は,誰が管理することになるのでしょうか?

2016年3月9日 更新 

 親が亡くなった場合,多くのケースでは,家族の誰がお墓の管理を行い,遺骨の管理を行うのかはそこまで問題にはならないと思われます。様々な事情から,誰が管理をするのか等が問題にならないわけではありません。法律上,こういった点はどうなるのでしょうか?

 まず,お墓の使用権ですが,お墓を利用するのには通常有償のことが多く,そのためのお金は永代使用料という名前のことが多いように思われます。法律上は,祭祀承継者という方が引き続く限り,ずっとお墓の利用がされていくことになります。問題となるのは,ここでいう祭祀承継者は誰がなるのかという点です。

 法律上は,遺言などなくなった方が指定する,そういった指定がなければ慣習による,ことになります。それでも決まらない場合には,家庭裁判所に指定してもらうよう申立をする必要があります。現代では,当然に長男というわけではありませんが,多くのケースではいわゆる喪主がこういった立場につくのではないかと考えられます。

 この祭祀承継者になった方がお墓の利用権を有するとともに,その対価の支払い義務を負うことになるでしょう。将来的に墓地の利用契約をどうするのか,その際の様々なことをどうするのかを決めるのは,最終的には祭祀承継者の方という事になります。契約を解除した際にも様々な問題が出てくるところですが,この点はいずれ触れてみたいと思います。

 次に,遺骨の所有権は誰にあるのでしょうか?古くから,裁判例は割れていて,遺産だという考えや祭祀承継者のモノであるという考えなどがありました。現在では,祭祀承継者のモノであるという考え方が有力なようです。そのため,仮に,様々な事情から将来親の遺骨を分骨して別の墓地に移すような場合には,祭祀承継者の方の同意が必要という事になります。

 多くのケースで,遺族間でそこまで問題がないことが多いので,そこまで問題は大きく問題にならないかもしれません。そうはいっても,兄弟姉妹間でも疎遠になるなどの事情から,トラブルになる可能性もありますので,こういった点の知識は重要なように思われます。

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