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持戻免除の意思表示とは(その②)

2015年10月1日 更新 

 遺言で,特定の相続人に多く贈与したものを遺産分割の際に調整から外す方法として,持ち戻しの免除という方法があることは以前触れました。遺言がなくても,こうした意思が亡くなった方によって示されたと評価できる場合もありますが,かなり限られた場合になります。前回,どういった場合がこのような例外にあたるのかという話をしました。

 それでは,同様に,遺留分の対象からこうした亡くなった方の意思の表示によって,ある特定の贈与を外すことはできるのでしょうか?結論から言えば,こうしたことは認められないと一般的に考えられています。同様のことを述べる裁判例もあるところです。このこと,遺留分という制度が,亡くなった方の特定の範囲の近親者の方の生活保障などのために,一定の範囲の財産を確保しようとしている制度という点からいえるところです。

 仮に,5000万円の財産がある方がいるとします。その方に3人の子供のみが相続人となりうる方でいるとして,特定の子供に亡くなる前1年間でこの5000万円を贈与するとします。遺言も残し,その中で5000万円の持ち戻しを免除するという内容を入れたとします。この場合に,持ち戻しの免除によって遺留分の制限をできるとしてしまうと,せっかく遺留分という名前で一定の範囲の財産を確保させようとした意味が失われてしまします。こうしたことから,持ち戻し免除の意思表示を遺言でしても,遺留分には影響を与えないと考えられています。

 ただし,生前贈与を何度か行い,遺産となりそうな残った財産で遺留分を侵害するという可能性がない場合には,こうした意思を遺言で残すことには大きな意味があります。持ち戻し免除の意思があったかどうかが問題になった場合には,そうした点が大きな争点となりトラブルとなる可能性があります。特定の相続人にある財産を確保しつつ,一定の範囲の財産を得させようと考えるのであれば,遺言等ではっきりとした形で残しておいた方がいいように思われます。

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