法律のいろは

 前回,離婚調停において面会交流の話がなされる場合等について触れました。現在は,民法で協議離婚を前提においていますが,面会交流など子供の監護に関する事柄を定めるようにするという定めがあることから,離婚の際の子供に関する取り決めとして面会交流に関する話し合いが行われることがあります。

 とはいえ,専ら面会交流に関する話し合いが問題になるのは,そもそも面会交流にこぎつけるのに問題があるケース(夫婦それぞれの考えの隔たりが大きい)・子供の養育監護を誰が行うのかに関する夫婦の考えの隔たりが大きいケースのように思われます。こうした場合(特に後者)では,子供の養育監護者は法律上必ず定める必要があること・子供とのつながりが保てることで,考えの隔たりが小さくなる場合もあることから,面会交流に関する話し合い(離婚後の条件面だけでなく,そもそも面会交流が円滑に行えるようにすること)がなされることはあります。

 ただし,離婚調停それ自体は面会交流を行うことを直接の目的としていませんので,必ず上記の様な話し合いがなされるわけではありません。

 面会交流が行われることについて双方の隔たりが大きい場合には,面会交流をしない方がいい事情があるのかどうかの話の確認が重要であるのは言うまでもありません。そうした事柄が存在したのかどうかが争いになるケースもありえますが,その場合には調査などが重要になってきます。子供の奪い合いが予測されるようなケースでは,面会交流を行うまでに相当な対立が出てくる場合もありますし,家庭裁判所内で試験的な面会交流を行うにしても,様々な摺合せなどが必要になります。そもそも,こうした場合ではこうした危険を減らすための環境調整が相当に難しい問題を抱えてきます。

 現在養育監護をしていない親が子供を以前何かしら虐待していたという理由が出されている場合にも,事実面を含めた調査が重要になることはありますし,調整も大きな問題となっていきます。

 現在養育監護している親からこうした言い分がなされているからそのことを前提としないといけないわけではありませんが,話し合いである限りは,調整をどのように図っていくかが問題とはなります。また,離婚調停は面会交流を目的としているわけでもなく,面会交流に関する問題が進まずに話し合いがつかない場合には,離婚調停を不調として離婚裁判へと進むか・離婚と面会交流の話を分けて考えるかを,考える必要が出てきます。

 離婚調停では,面会交流の調停と異なり,審判で裁判所の判断が出ない点も注意すべき点となります。

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