法律のいろは

浮気(不倫・不貞)が配偶者に発覚した場合について(その③)

2015年12月26日 更新 

 浮気(不倫・不貞)があった場合に,相手方配偶者から許しがあった場合にどういう意味があるのかは1つの問題となる点です。そもそも,どのような状況があれば許しがあったのか自体も重要な問題となりますが,今回はこうした点に触れてみたいと思います。

 この問題点については,裁判例があります。そこでは,古い時代の民法で一度不貞を許した後は離婚請求を許さない旨の定めがあったことの趣旨を解釈しています。ちなみに,現在の法律ではそうした定めはなく,古い裁判例では,一度許したとしても直ちに離婚請求を求めることを放棄したとは評価できないと述べるものがあります(ちなみに,そもそも許したとは言えないと述べられています)。この趣旨を,一度許したのだから再度問題にするのは矛盾した行動であると述べている点は,不貞・不倫をした側からの離婚請求にもあてはまることとこの裁判例では述べています。

 そうすると,二つの裁判例が整合しきるのかは問題があるように思われますが,最初に挙げた裁判例によれば,一度許しを得た場合にはその相手方は有責配偶者からの離婚請求であると言うことは許されないことになります。ただし,いずれも高等裁判所レベルの判断となります、

 許しがあったかどうかは事実として何があったのか(その証拠として何があるのか)・どこまでの事柄が許しと評価できるのかという別の事柄が問題になってきます。少なくとも,不貞・不倫に対する謝罪と相手方配偶者の受け入れることは必要であると考えられます。こうした事柄があったかどうかが問題になった場合には,言った言わないの点を含め証拠があるかどうかの問題となるでしょう。

 なお,許しがあって更に離婚裁判で離婚原因があるかどうかが問題になる場合には,許しのあった不倫・不貞以外の要素から夫婦の関係が危機に瀕しているかが問題になってきます。どこまで行けばそうした事情が認められるかはケースによっても異なってくるところですし,あくまでも色々な事情の積み重ねとその事柄に対する評価の点があることは頭に置いておいた方がいいように思われます。

 次回に続きます。

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