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アパートやビルの部屋を借りた場合に,借主はそこを使う義務を負うのでしょうか?

2016年1月5日 更新 

 アパートの部屋やビルの部屋を借りた際には,貸主には部屋を使えるようにする義務(容認する)・借主には部屋を使うことに対して,家賃を支払う義務が生じます。その他,借主には,部屋の使用方法について,本来の用法に従って使う義務等も出てきます。それを超えて,借りた部屋を使う義務まで出てくるのでしょうか?

 通常,必要だから部屋を借りるでしょうから,借りておいて使わないという事は,中々考えられないことです。ですが,長期の不在を繰り返すような場合はありうるところです。一般には,こうした借りた部屋を積極的に使う義務を借主は追うわけではありません。ですから,使わないからといって,直ちに貸主側から賃貸借契約を解除できるわけではありません。

 しかし,例外的に他の事情も相まって,契約解除が認められることもあります。やや特殊なケースですが,裁判例の中には次のようなケースも存在します。賃貸の契約書に一カ月以上の長期不在を契約解除事由にするという言葉がはいっており,借りていたのも築年数も相当経過した木造の共同住宅であったというものです。

 そもそも,こうした項目が有効かどうか争われましたが,裁判所は,先ほどの共同住宅の特殊性から,こうした項目も合理性があると判断しています。いわゆる古い木造の共同住宅であって,マンションなどコンクリート壁で部屋が分けられているような場合とは違う点に注目していますので,相当特殊性は存在するのではないかと考えられます。

 裁判例での判決では,長期の不在が常態化していたこと・借りていた部屋の管理がずさんであったこと等を全体として考えると,信頼関係を破壊されるほどの借主側の義務違反があると判断して,貸主側からの契約解除を有効と判断しています。ケース自体は,家主側からの借主の退去請求であるため,義務違反を争う借主の反論を排斥して,請求を認めています。

 このように,長期不在を契約解除の根拠とする契約書の項目もあるものの,長期不在の状態化など様々な事情があれば,契約解除に至ることもありうるかもしれない点には注意が必要です。

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