2016年1月11日 更新
借りた家を出る際に,ハウスクリーニング・この部分を修理したのでお金を払ってほしいという話から揉めるということはよくあるところです。また,部屋で動物を飼っていたのかひっかき傷や壊れた部分を何もせずに出ていかれたという話もあります。いずれも,トラブルにつながりかねないところです。こういった話はどうやって防いでいくのがよいのでしょうか?
まず,こうした話の前提として,「原状回復」という言葉があります。このコラムでも何度か触れましたが,貸した際の部屋の状況を指します。これに対して,「現状」とは部屋を引き渡す際の部屋の状況を指します。「現状回復」をしてから部屋を出てもらう,という言葉が契約書に入っていても,誤字でしょうが,意味のない言葉になりかねません。
この原状には,時間の経過とともにおとずれる損耗は含まれないという話は何度かしました。ペットを部屋で飼う事で部屋に大きな損傷が出てくるケース・煙草を室内で吸う事で壁紙などの偏食が大きいケースは,時間の経過とともに当然におとずれるとは言いにくい面がありますので,こうした状況の場合には回復の対象になることが多いように思われます。
もちろん,どの程度であるのか等はケースごとの話による点には注意が必要で,一概には言えない点があります。
次に,貸主サイドから後でこうした修理をしたからお金を負担してほしいという話で,揉めることが多い場合として,修理などの必要性を示すことなく事後通知をする場合が考えられます。「現状」が「原状」と比べてどういった変化をしていて,どういった修理が必要かはっきりしないうちに,一方的にこうしたことをした場合には,借主・貸主の間で認識の違いが出てきかねません。
この認識の違いがトラブルにつながりやすくなります。
そのため,「原状」について,最初の時点でしっかり確認しておく(写真を撮っておくのも一つの手です)・引き渡しの時点の写真をとる,借主貸主立会で確認をして必要な修理を確認しておく,という事をしておけば,こうした違いはある程度防げるでしょう。
勝手に出ていって,後で見たら傷だらけというケースについては,別の機会で触れます。次回に続きます。
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