法律のいろは

支払う必要のないお金を支払った場合に,返還を求めるのに問題はあるのでしょうか?(その①)

2016年12月18日 更新 

 支払う約束のないお金を支払った・支払う負債は実はなかった・他人の借金を支払ったような場合には,本来支払う必要のないお金を支払ったことになります。感覚として,当然そうしたお金は返してもらえるのが当然という気がするところですが,法律的に見て,何か問題がある場合があるでしょうか?

 

 結論として言えば,問題が出てくる場合があります。それがどのよう場合かを触れてみたいと思います。先ほどの例に沿って触れていきます。

 

 まず,支払う約束がなかった・支払う負債が実はなかったということは,どちらにしても自分が支払うべき義務がなかったということになります。こうした場合に返還が認められるのが原則ですが,法律上は返還が認められない場合が定められています。

 それは,実際は支払う義務がないことを知っておきながら,お金を支払ったような場合です。たとえば,本来は300万円を返済するという約束であったが,これまで迷惑をかけたこともあったので合計で500万円を支払ったようなケースが考えられます。また,本来は借りたのが300万円だったけれども,貸主から500万円を支払わないと差押えなどをすると言われテやむなく500万円を知らったケースもあり得るでしょう。

 

 ただし,こう言った場合全てで返還請求が認められなくなるわけではありません。あくまでも自発的に支払ったことが必要になりますので,先ほどの例では,貸主から支払わない差押えなどをすると言われてやむなく支払った場合であって,実際上強制されたといえる可能性もあります。こうした強制された支払いの場合には,返還請求は原則通り認められます。

 

 これは,支払い義務がないことを知りながらあえて支払っておきながら後で違うことを主張して返還が求められるというのが,矛盾した行動で信義に反すると考えられるためです。強制された場合には,矛盾行動を自らしたわけではありませんから,原則通りになるということになります。

 こうした理由からですので,支払う時点でし原義務がないだろうから後日返還請求をすることがありうる旨を告げていた場合には,やはり原則に立ち返ること負になります。とはいっても,こうした事柄は返還請求を求める側が立証する必要がありますので,単に話だけしておいたという場合には,問題が出てきかねない点には注意が必要でしょう。

 

 このほか,他人の負債を支払った場合などについても法律上決まりがありますが,次回に触れたいと思います。

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