法律のいろは

離婚を切り出すこと自体に何かリスクがあるのでしょうか?(その②,不倫のある場合)

2017年1月18日 更新 

 離婚を切り出したいと思う場合の一つの例として,自らが不倫・不貞行為をしていた場合があるところです。こう言った場合が,有責配偶者からの離婚請求の典型的なケースに当たるものであって,ハードルが高いという話は以前から触れました。

 

 こう言った場合の一番のリスクは,一番の希望である離婚を求めるということができないという点でしょう。もちろん,将来もずっとというわけではありませんが,早く離婚をしたいという一番の希望からすると大きな問題とは言えるでしょう。

 相手方が疑っているけれども証拠はなく,不倫・不貞があることを争っている場合には異なる点があります(だからといって,筆者は不倫・不貞をすすめているわけではありません)が,証拠がある・不倫,不貞があったことを認めている,のどちらかの場合には相手方が有利な立場に立つことにはなります。

 ちなみに,証拠がなく・争いがある場合には,最終的には裁判の中での認定になります。全く不倫・不貞の根拠が示せないのであれば,離婚へのハードルは低くなります。とはいえ,どのような判断が出るかわからない状況の中では,ハードルが低くはならない可能性があることには留意をしておく必要はあります。

 

 相手方の対応によって離婚できるかどうかのハードルは大きく異なってきます。そのうえ,相手方が条件面での対応を求めてきているのか・あくまでも感情面から再婚につながる離婚に否定的であるのか,によってハードルはさらに変わってくるでしょう。

 離婚を切り出した後は,離婚協議の場あるいは調停の場での話し合いになりますが,その際の相手方の反応を見極める必要性があります。離婚に対して否定的な対応をとっても,あくまでも感情面の話や修復に向けての話を求めるのか・条件次第では考える余地があるのかという点によって,その後の話し合いが変わってくるからです。

 後者であれば,条件面を巡って話し合いによる早期の解決が見込めるものの,あくまでも感情面や修復へのこだわりを相手が強く持つ場合には,長期化する可能性があるためです。もちろん,ことの性質上感情的な点は多かれ少なかれありえますが,その点へのこだわりの程度ということもできるでしょう。

 

 条件面の話し合いについては,こうしたケースでの離婚を切り出した側には大きな負担を伴う可能性がある点は頭に入れておいた方がいいでしょう。そもそも,不倫・不貞をしたのかどうかが争いになっている場合でも,こうした点をシビアに争うのであれば,離婚裁判に至る可能性(長期化のリスク)もありますので,そのリスクを考えてどうするのかを考える必要があるでしょう。

 

 このように,裁判に至った場合にどのような結論に至るのだろうかという考えとともに,問題の長期化のおそれと譲れない内容を考えていくことも重要になります。

 

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