法律のいろは

不動産等の大きな財産や財産管理を任せる契約をする際のリスク(判断能力の面)

2017年8月15日 更新 

 平均寿命が延びるとともに,介護等の費用その他の費用を賄うために不動産などの大きな財産を売却する・財産管理を予め任せたいというご希望の方は増えていっているかと思われます。その際に,契約内容がご自身にとって不利な内容でないかどうか・特に財産管理(任意後見や信託等様々な形組み合わせがケースによって考えられます)を任せる場合に適切な管理がなされるのか等気になるところ・注意をするところがたくさん出てきます。

 こうした管理あるいは費用の捻出は全く問題のないうちになされる場合もありますが,たとえば,老人ホームやサービス付き高齢者住宅への入居,その他のサービスの利用などを考える時点・大きく介護サービスを必要とする時点等人によって考える場合は様々です。ご健康状態に問題が出てくる・様々な病気などから判断能力に問題が出てくる際には,そうした契約が有効になされるのか・うっかり契約をしたけれども契約内容等に問題があって,後で無効といえないかといった点が問題になりかねません。

 

 こうした事柄を防ぐには,早いうち(ご自身で契約内容等問題点をチェックできるうちから)の備えが一番ですが,判断能力面などに問題が出た場合には,信頼できる方(その中には弁護士や税理士その他の専門家も含まれるかもしれません)に相談をしていく必要があります。全く判断できる状況にないということであれば成年後見制度の利用ということになるでしょう。

 仮に成年後見制度を利用していないうちに,契約をした場合に後でその効力を争えるか(多くは,高齢の方にとって大きく不利な内容の場合)が問題となるところです。ご健康状態(介護や病気の状況・意識状況等)や問題となっている契約の複雑さや金額の大きさ)等の事情から向こうの言い分が認められる場合も出てきますが,ハードルは大きなところになります。勧誘の仕方などに問題がある等の事情があれば取り消しということで契約の効力を否定できる場合もありえますが,こちらもハードルは相当程度あるところです。

 

 支払う金額などが大きくなってきた場合には後でトラブルの程度が大きくなってくるところですから,予め大きな契約をする場合には周りのご親族などによく相談をしておく必要があります。また,財産管理は実際には支障が大きくなってから考えるケースが増えてきますが,早めからどのようにしておくかを考えておきたいところですね。

 

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