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一度決まった家賃は変更できないのでしょうか?

2018年1月18日 更新 

 土地を借りるにしても,アパートやビルの部屋を借りるにしても,契約の際に家賃(賃料)を決めるのが通常でしょう。様々な背景事情から無償で借りるという形態もありえます。契約の際に取り決めた家賃(賃料)を変更することはできるのでしょうか?

 

 変更の可能性はありえます。一度決めた契約内容に拘束されるというのが原則ですから,自分勝手に家賃(賃料)を変更することはできません。貸した側と借りた側で合意をすれば変更はできますから,変更を目指して交渉をするというのは考えられるでしょう。その際には,変更を正当とする事情がないと交渉を行うのはなかなか難しいかもしれません。

 

 それでは,お互いの話し合いがつかない場合に一度決めた家賃(賃料)の変更を求める手段はあるのでしょうか?

 結論から言えばあります。ただし,変更を求めるにはそれなりの事情が必要です。あくまでも今までの家賃(賃料)が契約後の様々な事情で不相当といえる事情がないと変更は認められません。それは裁判所の手続きを使うことになりますが,まずは裁判所での話し合いを経ることになり,話し合いがつかない場合に判断が示されることになります。この手続きは増額・減額を求める際双方に使うことができるものです。

 どのような事情が必要かという点ですが,①不動産の税金等の変動②不動産の価格の変動③不動産以外の経済的要因の変動または④近隣の不動産の賃料などに比べて不相当になったことが必要です。こうした事情を考えうにあたっては,不動産鑑定士の方が行う不動産鑑定を大きな資料とはしますが,契約の経緯や事情等を考慮して考えていくことになります。以上は一般論として言えるところです。実際にどうなのかは各ケースごとに専門家に相談をしていくことになるでしょう。

 

 ちなみに,法律上,家賃(賃料)の変更を行わないという内容の特約を設けても有効とされています。それでは全く変更をすることができないかというと,こうした特約が存在しても家賃(賃料)の減額をすることができると判断した裁判例があります。

 

 また,先ほどの裁判所での手続きを使って貸主から家賃(賃料)の増額請求があった場合・借りた側が家賃(賃料)の減額請求を行った場合に,話がつくまで元々の家賃を支払えばいいのかといった点が問題になります。少ない家賃しか支払っていない場合には,家賃の支払い義務を果たしていないということで契約解除につながりかねない話です。法律上,こうした場合については,話がつくまでは,増額請求の場合は借主が相当と認める家賃額を支払えばいい・減額請求の場合は貸主が相当と認める家賃額を支払えばいいとされています。

 それでは,その相当額の支払いで済むかといえばそうではありません。あくまでもとりあえずの支払い義務は果たしたということで契約解除等につながらないというだけです。話が付いた家賃額に対して不足が生じている場合には,借主は不足部分について年10%の利息をつけて支払う必要があります。支払いすぎになっている場合には,貸主は支払いすぎの部分について,年10%の利息をつけて借主に返す必要があります。

 

 このように,家賃(賃料)の変更は制度上も可能ですが,面倒な点があります。

 

 

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