2017年12月10日 更新
前回まで,NHKの受信契約と受信料の支払い義務がいつから生じるのか・受信料の消滅時効はいつからスタートするのか等を判断した最高裁の判断について紹介してきました。この判決では,こうした判断の前提として,「受信設備」を設置した方がNHKと契約締結の義務を負うという放送法の規定が憲法に違反するかどうかも判断していますので,今回はここについて触れていきます。
こうした決まりについて,「受信設備」を設置した方の受信料の負担によってNHKの財政的な基盤を確保すること・そのために契約締結を強制する形になる点が憲法に違反するかどうかを問題としています。結論としては,憲法に違反するところはない(ただし,私的のあった部分)と判断をしています。判決の中ではこの部分について反対意見はありません。
こうした問題について判断の中で降れらていますが,ここではその概略を紹介していきます。
・放送を通して様々な情報を知る権利をどのように満たしていくかの形は憲法上一つの形に決まっておらず,どのような制
度を作るかは法律を作る側での裁量がはたらくこと
・民間放送と公共放送の二本立ての放送制度を作り,種々の規制のもと公共放送については受信設備を設置した方の受信料
をもって公共放送の財政的基盤を満たす仕組みは,放送を通して様々な情報を知る権利を満たす制度として合理性を失って
いないこと
・法律上定まっていない契約内容を公共放送側が受信規約で設定する点は,受信規約の内容が仕組を設けた目的などに照ら
して適正で,受信設備を設置した間の方で不公平が生じないようにするための合理性を持ったものである
と述べています。
こうした理由から,契約締結を強制する(契約内容は,契約をする一方であるNHKが定める受信規約である)点は憲法
に反しないと判断しています。
このような形で憲法に放送法の契約締結の強制の点が違反しないと述べています。
前回まで触れた点やイまだ残った問題なども含め,目の離せない問題ではないかと思われます。
早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。
© KEISO Law Firm. All Rights Reserved.