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相続で,亡くなった方から生前援助を受けたことは,どう考えるのでしょうか?(その⑤)

2013年7月7日 更新 

 久しぶりに,このテーマを触れます。相続の際に,亡くなった方から生前援助を受けたことを遺産分割で調整するのかどうかというテーマです。援助を受けた方が相続人の場合に特に問題になるような印象があります。

 

 こうした遺産分割で調整を行うことは,特別受益と呼ばれるものです。前回は,相続人の一人を生命保険金(死亡保険金)の受取人とした場合に特別受益になるのかどうかについて触れました。

 

 前回,原則として,相続人の一人を死亡保険金の受取人としても,生計を立てるためのお金をもらったことにはならないというのが最高裁の裁判例の考え方という話をしました。例外として,公平の点から特別受益として調整する場合があります。例外の場合にあたるかどうか考える要素として

 ①保険金の金額(絶対額)

 ②保険金の額が亡くなった方(被相続人)の遺産の金額と比べての割合

 ③保険金を受け取る方と亡くなった方(被相続人)が同居していたか

 ④亡くなった方(被相続人)の介護などに保険金を受け取る方への貢献の程度

 ⑤保険金を受取る方と他の相続人との関係

 ⑥各相続人の生活実態

 が最高裁判所の決定の中で挙げられています。ちなみに,②の遺産は,被相続人の方が亡くなった際に残っているものです。

 

 この最高裁の決定が出た後の裁判例(審判例ですが)では,①と②,つまり保険金の金額と相続財産に占める割合を考慮したうえで,③から⑥の事情を考慮しているようです。

 ちなみに,特別受益として調整が必要とした裁判例では

 保険金が5000万円を超え,遺産の額の60%を超える状態のケースがあります。問題となった相続人は亡くなった方と再婚をした方で,再婚後わずか数年での相続・保険金受取人変更等の事情が考慮されたようです。

 このほかに,保険金が1億円強で,遺産の額にほぼ匹敵したというケースがあります。このケースでは死亡保険金の受取の変更された時期や変更された時期に問題となった相続人が亡くなった方と同居していたか等の事情の事情が存在するか否かが考慮されているようです。

 

 このように,調整が必要というには,それだけの大きな事情が必要と考えられます。気になったケースでは専門家などに相談するのも一つの手かもしれませんね。

 

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