法律のいろは

内縁とは何でしょうか?(内縁その⑦)?

2013年10月4日 更新 

 内縁とは何であるかについて,前回触れました。夫婦一緒になって家庭を作っていこうという意思と夫婦としての共同生活の実体が必要だという話を前回しました。

 

 内縁に近いと考えられるものとして,婚約があります。婚約と内縁は何が違うのでしょうか?まず,内縁は,実態として法律上の結婚と同じようではあるものの,婚姻の届け出をしていない状態に対して,法律上の結婚と同じような法律上の保護を与えるための法律的な評価をしたものです。

 ですから,実態として法律上の結婚と同じような状態(二人の心の中と実態像)がないといけないと考えられます。これに対して,婚約は,将来結婚しようという約束があったと考えられる場合に成立するものです。今現在は,結婚して家庭を築こうという意思がなくても,同居する等して共同生活の実体がなくても認められるものです。

 

 そのため,婚約が成立していても内縁とは呼べない状況は存在します。以前,婚約の話に触れた際に,あくまでも婚約があったかどうかは色々な事実関係を踏まえての法律の目から見ての評価という話をしました。ですから,必ずしも結納がなくても婚約はあったと評価されないということはありません。ただし,結納という分かりやすい形がない場合は,結婚式場を予約していた・婚約指輪を交わした等他の事情が必要となる点には注意が必要です。

 

 内縁といえるために必要な夫婦として一緒に家庭を作っていこうという意思は,外に現れた事実関係から,あったかどうかを考えていきます。こうした意思は共同生活に入った方があったと考えやすくなります。そして,共同生活に入った経緯や実態(内容)がどのようなものであったのか,どのくらいの期間続いてきたのかも重要な要素となります。その他,二人の言動も踏まえて第3者から見てどんな印象だったかも大きな要素とはなります。

 あくまでも心の中の話ですので,こうした点から考えていきます。結構な部分が共同生活の実体があったのかどうかという部分を重なってくるように思われます。

 

 次に問題となるのは,共同生活の実体で必要とされる内容はどの程度のものかという点です。この点は,前回一緒に家庭を作っていこうとする意思で必要と述べた点と同じです。つまり,法律上の結婚で要求される助け合い・同居していく実態があるか・貞操を守る実態があるかといった点を様々な事実関係から考えていくことになります。

 

 とはいえ,内縁かどうかが問題となるケースには法律上の結婚よりも特に同居の点に関しては色々なバリエーションがあります。そのため,別々に住むという形がとられていても,内縁と評価される場合もあれば・内縁でないと評価される場合もあります。

 

 どこがポイントとなるか等次回に続きます。

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