懲戒解雇と懲戒免職処分は同じものではないかと思う方は多くおられるのではないでしょうか?そもそも,
懲戒解雇と懲戒免職処分の違い,会社勤めか公務員かというところですね。
今日こうした記事を書くのは,東京高裁で痴漢行為に対して懲戒免職処分としたのは重すぎる処分であるとして,懲戒免職処分を取り消したというニュースを見たからだったりします。この記事については,処分を受けたのが教員の方でもあり,色々意見がありそうですね。
先ほどの話に戻ります。懲戒免職処分が出たということは,この記事の処分を受けた方は公務員ということになります。懲戒解雇であれ・懲戒免職処分であれ,同じようにクビになったのではという気になるところです。
ところが,公務員については,普通の会社とは話が少し変わってくるところがあります。それは,まず争おうとしても方法や順番が法律で決まっているというところです。公務員の職種によっては,行政機関内部でまず不服申し立てをしろと決まっているものもあります。また,裁判で争う場合には,取消訴訟という特殊な訴訟によることになり,色々な制限がかかっています。
どんな場合に取り消しの要素があるのでしょうか?有名な最高裁判所の判断があります。簡単に言うと,公務員の懲戒処分をどんな場合に・どんな処分を下すかは公務員内部に任せる・ただし,あまりにも変な判断(裁量を逸脱乱用したもの)は違法だから処分を取り消すというものです。
そうなると,どんなものがあまりにも変な判断になるのかというのが気になるところです。一般に
① 処分の前提となった事実を間違って判断している
② 報復目的など目的や動機が不当である
③ 本来考慮するべきことを考慮しない・考慮したらいけないことを考慮している
④ 行政機関内部で決めた基準より厳しい処分をしている
⑤ 制裁として他の方法も十分あり得る状態なのに,わざわざ厳しい制裁を科している(比例原則違反と呼ばれるもの)
等が代表例です。
ちなみに,報道されているものは,事件の詳細が分かっていないので,正確なところは分かりません。ただ,報道内容からは⑤を理由に取り消しをしたようです。
なじみのない話ですが,複雑なところですね。
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