法律のいろは

精神的DV・モラルハラスメント事案と面会交流(2)

2014年5月7日 更新 

  先日、精神的DV・モラルハラスメントについて、簡単な意義と、子どもと、現在子どもを養育していない親との面会交流の際には、特に子供に対する配慮をしたうえで行う必要がある旨、お話ししました。

  今回はその続きです。

 前回のコラムでもお話ししましたが、「配偶者からの暴力」には、いわゆる精神的DVに該当するケースでもあたりうるとの規定が新たに設けられましたが、保護命令発令に必要とされる、配偶者からの暴力は、身体に対する暴力とされているため、精神的DV・モラルハラスメント事案であっても、子どもに対する接近禁止命令の発令を求めることはできません。

 そのため、こういったケースでは、一旦子どもをみていない親(しかも、精神的DV・モラルハラスメントを行っている親)から面会交流の調停の申立てがされると、争いが激しくなる可能性が高くなります。

 というのも、DVを裏付ける証拠が十分でないことが多い一方、精神的DV・モラルハラスメントにより、相手との直接的な接触による面会交流の調整に、子どもを看ている親が難色を示すケースがよくあるからです。

 このような場合でも、DV事案と同様、特に面会交流を行うことによる子どもへの心理的な負担・影響の有無について慎重に見極めながら進めることが必要と思われます。とくに身体的暴力を伴うDVと異なり、精神的なDV・モラルハラスメントとなると、軽くみられがちなところもあるようですが、とくに十分成長をしていない子どもにとってみると、たとえ身体的な暴力を伴わなくても、怒鳴る、物を投げる等の行為をまじかに見ることによるストレスは決して軽く見ることはできないと思います。

 子どもの精神面に対する影響については、家庭裁判所調査官による調査や、より深刻な症状(PTSDなど)がみられる場合には医師の診断も踏まえた対応が必要になることもあるでしょう。

 また、面会交流の際に、直接子供を受け渡したり、その際に連絡を取り合うことが親同士で難しいときには、FPICなどの面会交流を支援する機関の利用を検討する必要もあるでしょう。

 

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