法律のいろは

監護権とは何でしょうか(3)

2015年3月22日 更新 

 前回は一度監護権者を決めた場合でも、その者が監護権者としてふさわしくなければ、別の人に監護権者を変更できるとお話しました。今日はそのつづきです。

 指定された監護権者がふさわしくない場合、親権者が行うのが適切であれば、親権者が監護権も行使するようにすればいいのですが、親権者以外の者の方が監護権を行使した方がよいと思われるとき、親権者以外の人を監護権者にすることは認められるのでしょうか?

 かつては、父母いずれかのきょうだいや祖父母が実際に監護している場合、その人たちが監護権者と指定されることが多く行われてきました。

 こういったケースが認められるのは例外的で、親権者がそのまま親権を行使すると子どもの成長などを不当に阻害することになると思われる特段の事情があるときに限り、親権者の意思に反して子どもの親でない第三者を監護者と指定することを認めていました。

 ただ、最近では、子どもの親族ではない第三者が監護者指定申立をしてきたのに対して否定したり、子どもの父母以外の親族が監護者指定をした場合に否定するケースも出てきています。 裁判例は、民法の規定上、夫婦が離婚の際に未成年の子どもの面倒を誰がみるかという観点から、監護者の指定その他を行うように、となっている以上、父母いずれかが親権者となっているのであれば、わざわざ第三者である親族が自分を監護者として指定するよう求める根拠がないとしています。

 しかし、それではこれまでもように父母が監護権を行使するのが不適切と思われるときに、それ以外の親族が監護権者となり、法的な根拠をもって子どもの面倒をみることができなくなってしまいます。

 この点は家事事件手続法でも明らかではないため、解釈の問題として残っています。

 

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