法律のいろは

内縁とはどんな状態なんでしょうか?(内縁その⑥)

2013年9月26日 更新 

 内縁という言葉は時々聞く言葉です。では,どんな状態があれば内縁かというとはっきりしたような・していないような印象があるのではないでしょうか?今回は,内縁というのがどんな状態をいうのかを法律の点から見ていきます。

 

 法律の目から見ると,内縁とは法律上の結婚に準じる状態だからこそ,法律上の結婚と似た法律の保護をある程度は与えようという視点から考えているものということができます。ですから,ポイントとして,法律上の結婚に準じる状態とは何かということです。

 

 法律上の結婚をするには,結婚の届け出をする必要があります。内縁については,当然のことながら,結婚の届け出はされていません。ここでいう届出には,結婚して家庭を作っていくという意思が必要と考えられています。

 これに対して,内縁の場合には,結婚届を出す意思まではないでしょう。ただ,二人で家庭を作っていくという意思は必要なのでしょうか?

 法律上の結婚に準じた状態(似たような状態)を作るのですから,家庭を作っていこうという意思がなくて,こうした状態を作ることは考えにくいです。そのため,家庭を作っていこうという意思は必要です。

 ちなみに,先ほど法律上の結婚をするにも結婚して家庭を作っていくという意思が必要だという話をしました。時々見かける便宜上,入籍するという形では,こうした家庭を作っていこうという意思がないですから,法律上の結婚は有効ではありません。つまり,結婚が無効ということになります。

 ここでいう家庭を作っていくという意思は,はっきりしない点があるものの,一般には同居して助け合っていくこと・不貞をしないこと(貞操義務と呼ばれるものです)を守っていくという意思が中心になると考えられています。

 

 このほかに,法律上の結婚で一般的な夫婦と同じような状況が客観的に存在する必要があります。さきほどの意思の話は,男女の心の中の話ですが,外から見ても法律上の結婚と同じような状況といえる必要があります。もちろん,心の中の話(意思)と外から見た状況は深く結びついています。心の中の状況を考えるには外から見た状況からある程度考えることになるためです。

 先ほど述べた点を中心とする家庭を作ろうとする意思があると考えられるだけの共同生活が存在する必要があります。当然,こうした共同生活があるのかどうかは色々な点を踏まえたうえで考えていくことになります。

 

 次回はどういった点を考えるのかを含めて,続きます。

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