法律のいろは

交通事故にあった事で仕事ができなくなった分の損害賠償はどうなるのでしょうか?(その⑰)

2013年7月16日 更新 

 交通事故にあって,後遺症が残った場合に,働けなくなった分の損害賠償をどうするかについて,今回も続きです。

 

 これまで,基礎となる収入について触れてきました。これまで触れていない職業の方について触れていきます。

主夫・主婦はどうなるの?

 主婦・主夫については,休業損害の場合と同じように考えられます。つまり,基本的には,賃金センサスという賃金統計上の産業での合計・企業での合計・全学歴の合計をした女性労働者(主婦・主夫ともに)の平均賃金額にそって基礎となる収入を考えていきます。

 主婦・主夫といっても仕事をしている方も多くおられます。実際に収入が賃金センサスでの平均賃金額をうわまっわれば,実際の収入額が基礎となる収入となります。しかし,賃金センサスの平均賃金額に実収入を足すことはできません。どちらか多い金額が基礎となる収入となります。

 ちなみに,こういう考え方を取るのは,前提として家事労働もお金で評価すべきであるという考え方に立ちます。

 事業所得者はどうなるの(前半)?

 続いて,事業所得者,つまり自分で商売をして生計を立てている方です。自由業・自営業・農林水産業など色々ですね。基本的には,確定申告に書かれている金額(青色申告控除がなされている場合でも控除前の金額)を基礎収入とします。例外として,まず実際の収入が確定申告にかかれている額よりも多いということを立証できれば,実際の収入の額が基礎となる収入となります。

 いわゆる家族も含めて商売をしている方もいるかと思われます。そうした場合には,あくまでも交通事故にあった方の商売(収入)への貢献分のみが基礎となる収入として考慮されることになります。これは,あくまでも交通事故にあった方の稼いでいた収入が交通事故によって稼げなくなるから,損害賠償しようという考え方にもとづくものです。ちなみに,こうした考え方は裁判上もとられているものです。

 

 問題はこうした貢献分をどのように考えていくかです。その考え方はいくつかありますが,事業所得者の方の他の問題と一緒に次回に触れたいと思います。

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