法律のいろは

離婚と財産分与(その⑰)慰謝料との関係

2013年7月6日 更新 

 離婚の際の財産分与ということで,これまで夫婦が結婚中に築いてきた財産の清算と離婚後の生活援助の話をしてきました。財産分与には,離婚に伴う慰謝料の要素もあると考えられています。今回は,この話についてしていきたいと思います。

 

 通常,離婚の際のお金の支払いを求める場合には,慰謝料と財産分与それぞれを求めるケースが多いのではないでしょうか?

 法律上,財産分与には,夫婦が結婚してから協力して得た財産の額の他に一切の事情を考慮して決めていくということが定められています。前回触れた離婚後の生活援助という要素も一切の事情に含まれるところではありますが,慰謝料もそうした事情(慰謝料発生の原因となる事情)として考慮されることがあります。

 

 離婚に伴う慰謝料に関しては既に別に触れているところではあります。不貞(不倫・浮気)などの事情がない限りは,離婚原因に責任がない者が離婚せざるをえなくなることに関する精神的苦痛を補うものとされています。

 本来的には,離婚に伴う慰謝料と財産分与は別個の性質のものです。あくまでも,「一切の事情」として離婚に伴う慰謝料が財産分与のなかで考慮されるにすぎません。

 ですから,離婚の際に財産分与に離婚に伴う慰謝料も請求するという話がなければ,財産分与の話の中で離婚に伴う慰謝料の話に触れることは,通常ありません。

 

 離婚に伴う慰謝料の要素が財産分与の話の中で出てくるとは言いますが,こうした事情もよく考えて財産分与や慰謝料の話をどうするのか考えていく必要があります。

 

 慰謝料・財産分与の話いずれも次回に続きます。

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