法律のいろは

 DVがあったことを理由として保護命令の申立がなされた後の手続きの流れについて,前回・前々回と触れました。お互いに言い分を言う機械はありますが,迅速性が要求される手続きである点で,その準備等で注意する点があります。お互いの言い分や証拠が出されると,裁判所は,それ以上に言い分を聞いたり等する必要まではないと判断すれば,保護命令を出すかどうかの判断をします。

 保護命令の中でも,相手に生活の本拠からの退去を強制することになりかねない退去命令は少しハードルが高い印象があります。ただ,要件を満たし必要があると判断されれば,保護命令が裁判所から出されることになります。逆に,要件を満たさないと判断されれば,保護命令が出されないという判断もありえます。

 以降では,保護命令が出された場合を前提にして,その後の話を少し触れてみます。まず,保護命令が出された場合に,接近等に制限がくわえられます。違反に関しては,刑事罰という形(逮捕等のリスクがあります)で実効性を確保しています。保護命令が裁判所の判断で出されたけれども,暴力等はないのにおかしい・接近などする気もないのに,保護命令を出すのはおかしい等不服がある方は,即時抗告という不服申し立てを行う必要があります。

 不服の申し立てを行えるのは,命令を受けた方です。命令を受けた翌日から一週間以内にこうした不服の申し立てをする必要があります。たとえば,保護命令を出されたという通知があったのが10月1日(平日)だとすると,10月2日(平日)の1週間後である8日までに申し立ての必要があります。

 不服申し立てにあたっての注意点は,不服申し立てをしただけでは,保護命令の効力は続くという事です。まだ,判断が最終的に固まっていないのにと思う方がおられるかもしれませんから,注意点です。なお,法律上は,申立をすることにより,保護命令の効力を一時停止させることができる制度があります。ただし,ハードルは相当高く,保護命令が取り消されるべき明らかな事情が示された場合に限られます。

 このように,一度出された保護命令の効力には大きな所がありますので,申立をされた側は,そうした点には注意して言い分や証拠の提出をしていくことになるでしょう。

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