法律のいろは

インターネット上で誹謗中傷された場合にどうすればいいのでしょうか?(その③)

2013年6月14日 更新 

 インターネットの掲示板に誹謗中傷されたと思える書き込みへの対応として,書き込みをした人への刑事告訴等の対応と損害賠償請求について触れてきました。

 もう一度対応方法についてですが

 ①損害賠償請求をする

 ②誹謗中傷と考えられる書き込みを削除するよう求める

 ③書き込みをした方への刑事告訴等の対応

 といった方法が考えられます。

 

 今回は,①についてインターネットの掲示板業者への損害賠償請求の話と②について触れていきます。

 

 まず,インターネットの掲示板業者への損害賠償請求ですが,ハードルが高くなっています。つまり,一般的に損害賠償請求するのに必要な事柄に加えて,これから述べる点が法律上必要とされています。

 ハードルが高くなっている内容として

 ①人の名誉を棄損する内容の書き込みの送信防止措置を取ることが技術的に可能であること

 ②書き込みによって,人の名誉を棄損することを知っていた,あるいは,

  書き込みを見ることができる状態であることを知っていて,書き込みによって人の名誉が棄損されることを知ることができた

があります。

 この①と②を,損害賠償を請求する側(つまり,被害者)が証明しないといけないために,ハードルが高くなっています。

 

 次に,②についてですが,書き込まれた内容の削除を書き込みをした人やインターネットの掲示板業者に求めることが考えられます。

 このうち,書き込みをした人に対して,削除を求めるのは,名誉棄損の状態からの回復請求(あるいは,人格権に基づく差し止め請求)として求めることが可能です。

 

 問題は,ここでもインターネットの掲示板業者に対してです。というのも,業者事態が名誉棄損をしたわけではないためです。そのため,削除をする義務を認める別の理屈が必要となってきます。

 裁判例では,書き込みのされた掲示板を管理する権限を持つ業者は,書き込みで被害を受けた人からの具体的な書き込みの削除請求があった場合に,不当に放置せず削除する義務があると判断したものがあります。この裁判例では,削除担当者が他の職業にもついていて,常時書き込み内容をチェックすることができないことを理由にとしています。

 あくまで,問題となった事件の事実関係を前提としての削除義務の判断ですので,ケースによっては異なった判断の可能性もありうるところです。ただし,削除をする義務を言うだけの理屈が必要になる点は注意が必要と思われます。

 

  

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