法律のいろは

こんな理由で離婚が認められますか(その⑧)

2013年11月13日 更新 

 以前,配偶者からのモラルハラスメントが離婚の理由となるかどうかについて話をしました(このシリーズのその④です)。そこでは,モラルハラスメントとされる行為があったかどうか自体が争いになるという話やモララルハラスメントとされる行為が夫婦関係が修復困難と言える点にどう結びついているかがポイントになるとの話をしました。今回は,後者の点を触れていきます。

 

 モラルハラスメント(心理的虐待)といっても,その内容と考えられるものは色々とあります。顔や外見を馬鹿にする暴言・気に入らないことがあると執拗に攻め立てる等が一例として考えられますけど,暴言一つとってもその内容は様々考えられます。

 こうしたモラルハラスメント(心理的虐待)といえる行為がどのくらいあれば,離婚裁判でも離婚を認められるかは難しい問題です。少なくとも,身体への暴力よりも影響が分かりにくい面もありますので,ある程度多くないと夫婦関係が修復し難いとまでは言いにくい傾向にはあろうかと思われます。

 

 また,いかにモラルハラスメント(心理的虐待)といえる行為があっても,離婚のきっかけとは考えにくい場合には,夫婦関係が破たんしているとは考えにくくなります。たとえば,長年問題なく過ごしてきた夫婦が話合いもうまく行えないまま,離婚裁判まで発展し,そこで過去の行為をモラルハラスメント(心理的虐待)として蒸し返したような場合です。この場合は,モラルハラスメント(心理的虐待)という行為は,離婚の請求とは関係がきわめて薄くなるためです。

 こういった点をふまえて,離婚を主張するのであれば,モラルハラスメント(心理的虐待)という個別のエピソドから具体的にどんな心理的なダメージを受けたかをはっきりさせる必要があります。もちろん,心の中だけでそう思っただけでは不十分な点が出てきます。そのころの行動面と照らし合わせてみる必要があるかと思われます。そういったことの積み重ねがあったことや,モラルハラスメント(心理的虐待)を受けた側の性格的な面も大きな要素になってきます。性格は,心理的なダメージを受けやすい性格(引きずりやすい・反論できず不満を溜めてしまうなど)であったのか・ダメージを受けやすい身体状況(病気などで心にダメージを負いやすい状況など)だったのか等の点になろうかと思われます。

 

 もちろん,こういった要因以外の点も踏まえて,夫婦関係が修復困難といえるかを考えていく必要があります。次回に続きます。

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。