法律のいろは

熟年離婚の際にポイントとなることとは?(その⑥)

2013年12月7日 更新 

 前回は、熟年離婚と財産分与についてお話ししました。

 今回はその続きです。

 熟年離婚となると、これまでに形成をした財産がお互い色々あって、全容がなかなか整理・把握できていないということもあろうかと思います。

 お互い、それぞれの名義の財産を開示して、そこから寄与の割合(通常は1/2になると思います)に応じて分けていく、というのは通常のケースと同じです。

 ただ、あまり多くはないと思いますが、例えば通帳を紛失してしまって、銀行にいくら残高があるのか分からなくなってしまったということもなくはありません。

 そういった場合には、できれば名義人本人から取引履歴の開示を求めてもらう方がスムーズに出してもらえます。というのも、最近は個人情報保護の観点から、本人以外の人物からの開示の場合、本人が開示について同意している旨の同意書を提出するよう、求められるのが一般になってきているからです。これは、弁護士会を通じた照会でも同様です。

 これに対して、離婚裁判になっている場合は、裁判所を通じて開示を求める、「調査嘱託」という方法によれば、開示に名義人本人の同意は必要ではありません。しかし、そこまで至らないうちに(交渉・調停段階で)双方の財産を明らかにして、整理する必要があるのであれば、お互いの取引履歴取り寄せに協力することによって、開示をしていくのが一番早道です。

 ただ、この場合、本当にそれぞでが誠実に自分名義の財産を開示しているのか、確かめる手立てがなかなかないのが現実です。それぞれが、きちんと開示しているとの信頼のもと、進めていくほかありません。

 逆に、あとで実は隠していた資産があり、大きく分与対象額が変わってくるのであれば、再度財産分与の調停・審判を行う必要が出てきます。ただ、財産分与の審判の場合、離婚成立から2年を経過していないことが条件となってきますので、注意が必要です。

 

 

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。