法律のいろは

こんな理由で離婚をできるのでしょうか(その⑩)

2013年12月10日 更新 

 裁判で離婚ができるかどうか問題となる例として,夫婦の一方が浪費をした働かないといったものがあります。協議や調停で離婚の話し合いの決着がつかない場合には,離婚裁判になりますが,その場合にこうした浪費や働かないことが法律上の離婚原因に当てはまるかどうかは,既にこのシリーズのその⑤で触れました。今回は前回(その⑤)の補足をしたいと思います。

 

 まず,家計をかえりみてくれないということで,働かないことが何か問題なのかということを触れてみたいと思います。単に働かないとか収入がないということだけで,夫婦関係が修復し難いということはいいにくいでしょう。収入の少ない中での共稼ぎもありますし,今仕事が見つからないために夫が専業主夫状態の場合もありえます。あくまでも,夫婦は助け合う義務があり,その中身をどうするかは各夫婦で決めるべきこと・現状の中で実情に合った形で協力するべきこと,がいえるからです。

 もちろん,配偶者の一方が単に定職にいつかないだけでなく,家事も分担せずに遊んでばかりの状態が続くようなケースでは話が違ってきます。こうした場合には,その配偶者は夫婦がなすべき協力をしていないだけではなく,夫婦の信頼関係を壊していっていると考えられるからです。こうした状態がどれだけ続いたのか・他方の配偶者が直してほしいと言って直したのか等色々な事情を考える必要がありますが,夫婦関係が修復しにくくなる要因にはなりえるでしょう。

 

 これに対して,配偶者の一方が相談もなく転職を繰り返す場合はどうなるのでしょうか?この場合は働き続けている以上は働く意欲はあるでしょうし,それなりの収入もあろうかと思われます。こういった場合には,相談もなく転職をするだけでなく,その他の事情もふまえて夫婦の信頼関係が失われたのかを考える必要が出てきます。他方の配偶者に相談もなく行動することが転職以外にもあるか等色々な事情を踏まえてみる必要があるでしょう。

 

 これに対して,浪費はそもそも浪費と言えるのかどうかから問題となってきます。これは,夫婦の収入や使った金額や用途も考えてみる必要があります。以前も触れましたように,他の配偶者の了承なく大きな必要もない金額を使っていたといえれば,夫婦の信頼を壊す一つの要因とはなりえます。家計の状態などもふまえて,夫婦の生活を大いに困らせるなどの事情が夫婦関係が修復し難いかを考える上では,意味を持ってくるかと思われます。浪費に関しては,以前触れたその⑤もご覧いただければと思います。

 

 次回に続きます。

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