法律のいろは

未収金(売掛金や貸金等)はいつまでも請求できるのでしょうか(消滅時効その③)?

2014年1月13日 更新 

 売掛金や貸しているお金はいつまでも請求できるのかは気になるところです。以前,消滅時効ということで,未収のお金がいつまでも請求できない可能性があるという話をしました。そこでは,NHKの受信料など意外に短い期間で時効にかかる(簡単に言うとある期間請求しないでおく等の状態があると,支払義務のある側が時効を主張すると法律上請求が通らなくなってしまう)という点を触れました。

 

 せっかく仕事をしたりお金を課したりしたのに,お金の請求が法律的にできなくなってはどうしようもありません。そこで,どのような対抗措置を取っていくのかは極めて重要なところです。当然のことながら,お金が回収できないと自分が苦しくなるからです(中小企業には倒産のリスクすら出てきかねません)。

 対抗措置としては,主に次の三つのものです。

 ①広い意味での裁判上の請求(簡単に言えば訴える事ですが,厳密にはいくつか種類があります)

 ②差押え(仮差押え・仮処分)

 ③承認

 

 ここでいう対抗措置とは,①と②は債権者側(売掛金や貸金を持っている方)が行うものです。③は,債務者側(買掛金を負う側・お金を借りた側)が行うものです。①と②は昨年の6月に最高裁が示した判断を含めていずれ詳しく触れるので,ここでは簡単に③についてだけ触れておきます。

 ③は,債務者側が債務を負っていることを認める事(買掛金が存在する事・借りたお金がある事をみとめること)です。たとえば,100万円の利息のある借り入れがある場合に,借りた側が100万円の存在を認める債務承認書を差し入れた場合は当然「承認」になります。それだけでなく,借りた側が支払いを猶予してほしいと債権者側に懇願した場合・利息だけでも支払うということで利息を支払った場合,元金を一部払うということで10万円払った場合,も借りたお金があることを認めていますので,「承認」にあたることになります。

 

 ここでいう対抗措置の意味はどんなものでしょうか?それは,簡単にいえば,事項に必要な期間をリセットできるということです。たとえば,一般に商売から生じた(法律上商行為とされるもの)売掛金の時効は5年です。既に3年経過している時点で,買主から売掛金の「承認」があれば,時効期間は一からまた5年となるということです。こうしたことから,先ほどの①の手段を債権者から取るだけでなく,「債務承認書」を債務者に書いて渡してもらう(③)方法を取ってもらうことも見かける方法としてはあります。

 

 次回に続きます。

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