法律のいろは

離婚後も今住んでいる家に住み続けられるのでしょうか(その②)?

2014年1月22日 更新 

 離婚の際に持ち家をどう清算するのかという話,その中でも今後も今の家に住み続けられるのかという話を前回から触れています。前回は,オーバーローン(家の価値が住宅ローンの残額を下回っていること)ではない場合に自分の名義にする際の話を主に触れました。今回は,前回の最期に少し触れた相手の名義にするけれども,借りて住まわしてもらう場合の話を触れます。

 

 こうした借りて住まわしてもらう場合は,清算だけでなく以前触れた扶養という意味でも考えられるところです。前回触れたように,家賃を払う形や無償で住む形がありうるところです。この方法の場合,借りるということだから,当然終わりが来るのではないかという問題が出てくるところです。

 終わりが来た後で,どうするのかが問題になるのは主には明渡をどうするかということと思われます。ただし,名義をどうするかなどを棚上げにして住まわせるという形を選んだとすれば,終わりが来た後でどうするのか〈売却する・分割する・どちらかの名義にする)ということで話合いをする必要があります。もちろん,明渡をどうするのか(何を残してもいいのかどうか・いつでていくのか・破損個所が生じていた場合にそこをどうするのか等)についても話合いの必要が出てきます。

 離婚の際に,あまりに対立が激しく,時間がたっても落ち着いて話合いができない場合には,こうしたやり取りを行うには問題が出てくるでしょうから,こういった解決には向かない面が出てくるかもしれません。

 

 そういった対立の激しさがないのであれば,子供が高校(中学校・小学校までの間)住み続けたいというニーズに合う可能性はあります。子供の養育監護環境を守るという点でのメリットはあるかと思われます。月当たりの家賃を決める・無償にするのかは,まずは話し合いによるところだと思われますが,前回も触れましたように裁判所の判断で設定されることもあります。ただ,何の必要も求めもなくこうした判断がされることは少ないと考えられますから,こうした借りるという方法を認めてほしい場合にはその必要性などを主張する必要はあるでしょう。結局は色々な事情を踏まえての主張するかどうかの判断になると思われますので,よく検討しておくべき点です。

 実際に,子供が成人に達するまで家賃6万円で借りることを認めた裁判所の判断等が存在します。借りる際の注意点は,借地借家法という借主保護の法律の適用はないと考えられる点です。

 

 次回に続きます。

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