法律のいろは

不倫と慰藉料(再婚後に,前婚での不倫が発覚したケース)

2014年3月16日 更新 

 離婚後に,元配偶者が別の方と時間をおかずに再婚したからといって,結婚中に不倫や不貞があったことにはつながりません。再婚したケースでは,仮に結婚中に不倫・不貞があっても,その証拠が手に入れられないことも多いかもしれません。ただ,再婚後に前婚での不倫・不貞があったことが発覚するケースもありえなくはありません。

 

 仮に,再婚相手が前婚での結婚中不倫・不貞の相手だった場合に,慰謝料の請求はできないのでしょうか?まず,注意するべきは時効についてです。これまで何度か触れましたが,慰謝料請求については時効があります。不倫とその相手方を知ってから3年が経過すると,相手が時効主張をすれば,慰謝料の請求は法律上は認められなくなります。

 ですから,証拠が見つかった場合に,いつごろまでの不倫・不貞と言えるかは注意する必要があります。不倫・不貞相手と再婚しているのだから,ずっと不倫・不貞が続いていたのではないかという疑問も起こるところです。そういったケースは十分あると思われます。特に離婚を元配偶者から切り出され,その後も不倫・不貞が続いていたようなケースでは言いやすいかと思われます。この場合でも,離婚の時点で不倫・不貞による権利の侵害は終わりますので,そこから3年という期間には注意する必要があると思われます。

 これに対し,離婚を元配偶者から切り出されるよりもだいぶ前の物しかない場合には,相手方から一度別れて関係を清算した後に,離婚したからということで再度交際し結婚したという反論が出て来る可能性があります。慰謝料が低くなるべきという話しも含まれますが,不倫・不貞の継続の証拠が他にない場合には,時効に必要な期間が早く経過する可能性がある点には注意が必要です。

 

 次に,元配偶者と離婚の際に,離婚協議書を交わし,今後はお互いに一切のお金の請求をしないとしていた場合にはどうなるでしょうか?言葉通りに考えるのであれば,元配偶者にはお金の請求は一切できないことになります。不倫・不貞は,元配偶者と不倫・不貞の相手方が一緒に行ったもので,責任もそれぞれ連帯責任として負う必要があります。ですから,不倫・不貞の相手方にも慰謝料の請求自体は制限されません。ここで問題となりうるのは,不倫・不貞の相手方が慰謝料を払った後に,元配偶者に責任に応じたお金の請求ができるということです。

 なぜ問題かと言えば,お金の請求に応じた元配偶者が,自分にたいするお金の請求につながることはしないと言ったのにしたのだから,自分の払った分を払ってほしいと言ってくる可能性がある点です。

 

 こうした問題については,次回に続きます。

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