法律のいろは

養育費の支払い確保のため、第三者に連帯保証人になってもらえますか?

2014年7月2日 更新 

 養育費についてはこれまでもお話ししてきましたが、子どもが小さければ小さいほど、支払ってもらう期間が長くなるので、

その分、支払を受ける側からすればちゃんと子供が成人になるまで支払ってもらえるか、不安になるものです。そのため、支払を確保しようと、例えば相手方である支払義務を負う者の親族、あるいは第三者に連帯保証人になってもらいたいという話が出ることがあります。

 

 しかし、養育費は親が、子どもに対して扶養する義務を負っているから負担すべき義務が発生するのです。しかも、単に子どもが生活に困ったときにはじめて、自分の生活を犠牲にせず払える金額を払えばよいという、「生活扶助義務」ではなく、支払義務がある親が、自分と子どもが同じ程度の生活できるようにする必要がある、すなわち「生活保持義務」があるといわれています。

 ですから、たとえ親族であっても、父母以外の人にそこまでの義務を負わせることはできないのです。

 また、養育費の負担をどのようにするかということは、夫婦で話合い、その話合った内容は夫婦の間でだけ効力が認められるものです。

 ですから、いくら養育費の支払いをきちんとしてもらうためとはいえ、第三者に連帯保証人になってもらうことは相当ではないといえます。

 さらに、支払義務を負う親が、収入の大幅な減少などの理由で、養育費の支払いをすることが経済的にも難しくなったときには、事情変更を理由に、養育費の金額の減額を請求できます。この場合には、連帯保証人の負担も減少してしまうので、仮につけていたとしても、減額前の金額を請求することはできません。したがって、第三者が連帯保証人になっていたとしても、当初決めた金額を確実に支払ってもらえるわけではないのです。

 いずれにせよ、親でない人に連帯保証人になってもらうことは現実的にみて難しいし、減額請求のリスクからみても確実な支払確保の手段とはいえないでしょう。

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