法律のいろは

試験的な面会交流(試行的面会交流)とは(その③)

2014年7月12日 更新 

 前回は、試験的な面会交流をどのように行うかということと、実施の仕方のさわりについてお話ししました。

 今回はその続きです。

 ○ 観察室とは?

 前回、児童室のお話しをしましたが、その隣に通常観察室というものがあります。児童室の壁が一部ミラーとなっているのですが、児童室からはただの鏡に見え、観察室からは児童室の様子がみえる仕組みになっているというものです。

 観察室では、面会交流には直接立ち会わないものの、交流の様子を見たい人(裁判官や調停委員)がミラー越しに観察することになります。代理人や普段子どもをみている親が見ることを認められる場合もあります。人数が多いときはモニターテレビで見ることもあるようです。

 観察をすること、観察する人などについては事前に関係者の了承を得て行うことになりますが、とくに初回の面会交流の場合、なるべく外部の刺激を少なくして観察するため、短時間の観察しか認められなかったり、場合によっては観察も認められないことがありえます。

 また、ミラーの構造によるのかもしれませんが、観察室で見ていると子どもが感づくこともあるようです。こういうこともあるので、観察室での観察はやや制限的になることもあるでしょう。

 ○ 試行的面会交流の進め方

 通常は以下のように進めることが多いようです。

 通常子どもをみている親が子どもを連れて家庭裁判所に来たら、担当の家庭裁判所調査官が子どもに児童室に入ってもらうことになります。児童室に慣れてもらうのが目的です。

 子どもが遊び始めると、通常子どもをみていない親に部屋に入ってもらい、少しずつ子どもとの遊びに加わってもらうことになります。

 子どもを見ている親は子どもが児童室に入ったときから立会をしていないこともあります。子どもの年齢が小さければ途中まで立ち会っていることもあると思いますが、子どもがその親から離れないときや、他方の親が同意した場合以外は、通常子どもをみている親は一旦部屋から出ることになります。

 交流の時間は状況に応じてということになりますが(事前に何分程度と打ち合わせていることが一般だと思います)、調査官が様子をみて終了の合図をして、子どもをみている親に児童室に入ってもらい、可能であれば子どもと他方の親とともに遊びの片づけをしてもらうことになります。

 その後、子どもを見ていない親は子どもと子どもをみている親に挨拶をして退席し、子どもが落ち着いたところを見計らい、帰宅するというのが通常の流れになります。

 

 

 

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