法律のいろは

子供との面会交流(その⑯)

2014年9月28日 更新 

 子供との面会交流が決まったけれども(家庭裁判所における調停や審判を使って決まった場合),うまくいかない場合にどうやって実現を図るのかという問題は以前も触れました。その際に,家庭裁判所の調査官から話を聞いてもらう(履行勧告)以外にペナルテイをお金で払ってもらうこと(間接強制)がありえるという話をしました。今回は,ペナルテイの話について補足しておきます。

 

 今回,補足しておくのは,家庭裁判所での調停や審判でどのようなことが決まっていれば,こうしたペナルテイを求められるかという点です。主に問題となるのは,あくまで話し合いで決める調停の場合と思われます。決まる事項としては色々と考えられますが,子供と親権を持たない親との面会については,たとえば,子供の状況を考慮して親同士で話して決めるというものが考えられます。この他に,月1回程度というものもありえますし,時間もその都度決めるというものも考えられます。

 これに対して,毎月会う日を固定し,時間などもはっきりさせておくという取り決めも考えられます。こうした問題について,昨年3つ最高裁判所で判断が出されています。その概要は既に依然触れましたが,面会に応じる親が果たすべき義務の内容がはっきりと特定されていることです。

 以下では,実際の今述べた3つの判断の事例を見てみたいと思います。

 この3つの判断では,2つがペナルテイを否定し・1つだけ肯定しています。否定しているケースでは次の内容であったようです(あくまでも概要を示すものです)。

 ①月に2回子供と面会し,土曜日または日曜日に一回あたり6時間行う。

 ②2か月に一回程度,原則として第3土曜日の翌日に,半日程度子供との面会を行う。ただし,面会の時間は最初は1時間程度で始め,子供の様子を見ながら増やす。具体的な面会の日にちや場所などは都度定める。

 

 こうした①について,具体的にどこで子供の引き渡しを行うのかが定められていないため,特定されていないと判断されています。②については,いつ・どのくらいの面会を行うのかが特定されていないうえに,細かいことは都度話し合うことを前提にしていると判断し,特定されていないと判断しています。

 これに対し,肯定例での取り決めは次のものです(ただし,大ざっぱなもので記載していますので,実際のものはもっと細かいものです)。

 月1回第2日曜日に,面会交流に応じる側の親の指定した場所で面会子行い,時間は午前10時から午後4時とする。子供を受け渡す場所は,話し合いで決めるものの,話し合いがつかない場合には●●駅改札口とする。

 

 どういった内容で取り決めるのがいいかは,ケースによって様々です。特定を細かくすることが窮屈なこともありえますし,約束が守られないのではないかという不安も出てくるかもしれません。あくまでもケースごとにどうするのがいいかを考えていく必要があるようには思われます。

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