法律のいろは

亡くなった方の相続人の方に行方不明の方がいた場合にはどうするのでしょうか(その②・失踪宣告)?

2015年5月31日 更新 

 亡くなられた方の相続人の方に行方不明の方がいた場合の話について,前回不在者財産管理人という制度の紹介をしました。その続きですが,行方不明の状況が続いていた場合には,失踪宣告の申し立てを家庭裁判所に申し立てる方法もあります。というよりも,これから触れる失踪宣告の申し立てが認められそうな場合には,そちらの申立てをすることを考えた方がいいように思われます。

 失踪宣告とは,現在住んでいるところから所在が分からなくなるなど生死不明の状況が続く場合に,様々な法律関係を安定にさせるたえに,法律上は死亡した時と同じように扱い相続が始まることになります。不在者財産管理人の制度との違いは,失踪宣告の場合は相続が始まったのと同じような扱いがなされますし,一時的な財産管理の負担を負う管理人(報酬が必要になります)を置かないで済むなどの点がとりあえずあげられます。こうした点からも失踪宣告認められそうな場合には,こちらの申立てを考えた方がいいでしょう。

 それでは,失踪宣告に必要な事柄を触れていきますが,事故等に巻き込まれて生死不明になったかどうかで,生死不明の年数が変わってきます。事故等に巻き込まれたことがない場合には,最後に生死が確認できた時から7年間生死不明の状況が続いたことが必要です。事故等に巻き込まれた場合には,それから1年生死不明であることが必要です。こうした前提があったうえで,利害関係を有する方から家庭裁判所への申立てがあってはじめて失踪宣告がなされることになります。

 失踪宣告がなされると,不在の方についての相続が開始されますので,その子供孫・配偶者が特にいなければ(親は亡くなっている前提です),その方の兄弟が相続人になります。そうした相続人と話が出来ればその方と遺産分割のための話し合いをすることになるでしょう。

 話を戻して,不在者財産管理人の選任の申立てを選択する場合(7年も行方不明ではないような場合)には,遺産分割の目的以外にも様々な目的が考えられます。たとえば,その方の持ち家が誰も管理をすることなく修理をしないと周りに迷惑を掛けるような場合などです。こうした場合には,不在者財産管理人の選任の申立てをすることになります。このように遺産分割協議以外にも申立の目的は考えられます。

 次回に続きます。

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