内縁関係をめぐる法律問題については、これまで数回にわたって取り上げましたが、今回は内縁関係の場合でも、婚姻関係を解消(離婚)するにあたっての財産分与のような請求ができるのか考えてみたいと思います。
どういった場合を「内縁」というかについては、すでにコラムで取り上げていますが、一般的には、➀婚姻をする意思➁共同生活の存在が必要だとされています。ここでの「内縁」も、これら➀・➁を満たすものとして考えます。
結婚している場合には、夫婦の一方が結婚前に作った財産は、結婚後もその人のもの、という夫婦別産制がとられていますが、共同生活を営んでいる中で築き上げた財産については、夫婦の共有財産と推定して、離婚の際に清算することになります。
これは内縁の場合にも同じことで、二人で共同生活を送っている以上、共同して作った財産があればそれを内縁解消時には清算するのが筋といえます。
裁判例でも、内縁解消の場合財産分与の規定を類推して財産分与の請求ができるとしています。
具体的には、財産分与の場合と同様、清算的財産分与はもちろん、内縁解消後の生活保障を内容とする、扶養的財産分与、慰謝料的な要素を加味した慰謝料的財産分与のいずれも認められるとされています。
ですから、内縁関係を解消する場合、財産分与の規定が類推適用されるため、話し合いで財産分与をする財産の範囲、金額、方法などを決めることになります。話し合いがつかなければ、裁判所での調停・あるいは審判の手続きによることになるのは離婚時のときと同じです。
このように、内縁を解消する場合でも、清算等により受け取れる財産がありえますので、籍を入れていなかったからといって金銭的な請求をすることを諦めず、弁護士に相談されることをおすすめします。
早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。
© KEISO Law Firm. All Rights Reserved.